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プロの味を簡単に!スパイス料理
~ゼロから始めるスパイス入門~(3時間目)

June 27. 2024(Thu.)

スパイスカレーの流行で身近になったスパイス。家庭料理にも簡単に取り入れることができることをご存知でしたか?今回、初心者でもすぐ始められるスパイス生活を指南してくださったのは、名古屋市にあるスパイス専門店「Osu Asian Spice Dream Land」の笹本かおりさん。最終回の今回は、料理好きでなくても楽しめるお手軽スパイス料理を紹介してもらいます。

ー1時間目の記事はこちら
スパイスの基礎知識~ゼロから始めるスパイス入門~(1時間目)
ー2時間目の記事はこちら
初心者はスパイスドリンクから~ゼロから始めるスパイス入門~(2時間目)

Osu Asian Spice Dream Land 店主 
笹本かおり
2023年11月に、幼少期から馴染みのあった大須にスパイス専門店をオープン。店内には500種類以上のスパイスがずらりとならび、1gから購入できる。初心者がスパイスを選ぶ際には相談に乗ることも多い。好みを伝えると、オリジナルのスパイスを調合してくれるサービスも好評。

3時間目

料理が美味しくなる!
スパイスの上手な
使い方とは?

スパイスの風味を引き出す
テンパリングとは?

1時間目で、ホールスパイスは加熱することで香りが立つという話をしました。その加熱する方法で料理に取り入れやすいのが「テンパリング」です。
テンパリングとは、スパイスを油で炒めその香りを油に移すこと。スパイスの香り成分が油に溶け出し、その油で食材などを焼いたり炒めたりすることで、料理全体に香りを付けることができるのです。

<材料>
・油…オリーブオイルやごま油、サラダ油など料理に合わせて選びます。通常より多めの量を使います。
・スパイス…パウダーだと焦げてしまうので、ホールのものを使います。あらかじめ包丁の腹などで潰しておくと香りが移りやすいでしょう。

<作り方>
1.フライパンに油とスパイスを入れます。
2.スパイスが焦げてしまわないよう、弱火にかけます。油の中にスパイスを浮かべるようなイメージで、フライパンを傾けながら火を通していきます。
3.香りが立ってきたら、調理する食材をフライパンに入れ、いつも通り焼いたり炒めたりしましょう。
4.料理の仕上げに、残った油を上からかけるとより香りが際立ちます。

料理全体にスパイスの香りをまとわせることで、味わいに厚みが生まれますよ。

超簡単レシピで
目玉焼きをランクアップ!

普段料理をしない人でも簡単にできるスパイス料理が、スパイシー目玉焼きです。

【スパイシー目玉焼き】
<材料>
・ピンクペッパー…適量
華やかな香りと鮮やかな色で食事に彩りも加えてくれます。
・ホワイトペッパー…適量
マイルドな香りとピリッとする辛みを持っています。
・ブラックペッパー…適量
強い香りと刺激的な辛みが特徴です。

3種類を混ぜてペッパーミルに入れ、まとめて削ると簡単です。

<作り方>
1.フライパンで目玉焼きを作ります。
2.出来上ったものの上からミルでピンクペッパー、ホワイトペッパー、ブラックペッパーを振りかけるだけで出来上がり!

お好みでピンクソルトをふりかけてもいいと思いますよ。

普通の目玉焼きがプロが作ったような味になるので、ぜひ一度試してみてください。

カレーの仕上げに
スパイスをひと振り

スパイスといえばカレーのイメージがありますが、「スパイスを調合してイチからカレーを作るのは億劫」という人におすすめなのが簡単スパイスカレーです。

簡単スパイスカレー

<材料・使いやすい分量>
・カレーライス…市販のルーで作った家庭のカレーでOK。
・カスリメティ(写真2枚目)…1皿あたり1、2つまみ程度。
カスリメティはハーブの一種で、甘い香りとほろ苦い風味を持っています。

<作り方>
・カレーライスをお皿に盛り付けます。
・上からカスリメティを振りかければ完成!

カスリメティを仕上げに加えるだけで、味が引き締まり本格的な一皿に。

お子さまがいるとなかなかスパイスカレーを作ることができないという家庭もあるでしょう。そのようなときは、お子さまにはそのままの状態で出し、大人はあとからカスリメティをかければ、お店で食べるようなカレーが楽しめますよ。



画像提供/PIXTA

肉料理、魚料理に
相性の良いスパイスは?

スパイスは、肉や魚など、どんな食材にも合わせられるのが魅力です。焼く前に直接揉み込むことで下味となり、素材の味わいを引き立ててくれるだけでなく臭みを抑える役割もあります。肉料理と魚料理、それぞれにおすすめのスパイスを紹介します。

<肉料理と相性の良いスパイス>
鶏、豚、牛、全てに合わせやすいスパイスはこの3つ。
①ジンジャー…爽やかな辛味がお馴染み。豚の炒め物や煮込みに入れるとアクセントに。
②クローブ…刺激的なすがすがしい芳香を持ち、ウスターソースにも使われています。豚肉の揚げ物やハンバーグにおすすめ。
③マスタードシード…マスタードの原料となるスパイス。ツンと鼻に抜ける辛味感があり、仕上げのソースに使うことも多いです。
④オールスパイス…複雑な香味が特徴。下味に使うと本格的な味わいに仕上がります。

<魚料理におすすめのスパイス>
白身魚や鮭のムニエルなどの魚料理は、オリーブオイルとブラックペッパー、ハーブと合わせてシンプルに仕上げると美味しいですよ。
⑤ブラックペッパー…爽やかな香りとピリッとした辛みを持つスパイス。下味に使うとアクセントに。
⑥ハーブ系…バジルやオレガノ、ローズマリー、タイムなどは魚料理におすすめ。複数のハーブをブレンドしたスパイスはスーパーマーケットなどで手軽に手に入ります。

いかがでしたか?
調理中に少し加えるだけで家庭料理が簡単に本格派になるスパイスの魔法。ぜひ毎日の食卓に取り入れてみてください。


画像提供/PIXTA

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