おとなの相談室

知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします

大人もときめく
おしゃれな雑貨をつくろう!
身近でできるアップサイクル
(3時間目)

August 23. 2024(Fri.)

捨ててしまうものに手を加え、より価値のあるものに生まれ変わらせる手法「アップサイクル」。今回はお菓子のパッケージをおしゃれな雑貨に変身させるアイデアを紹介します。ご指南いただくのは、クラフト初心者や子どもにも簡単にできるパッケージクラフトの作品を数多く生み出してきた平田美咲さん。3時間目は、大人も使いたくなるくらいおしゃれな折り曲げポーチとコードケースのつくり方を教えてもらいました。

ー1時間目の記事はこちら
お菓子のパッケージが大変身!身近でできるアップサイクル(1時間目)
ー2時間目の記事はこちら
子どもがよろこぶアイテムをつくろう!身近でできるアップサイクル(2時間目)

グラフィックデザイナー・イラストレーター
平田美咲
三重県生まれ。デザイン会社、出版社勤務を経てフリーランスとして活躍中。雑誌や書籍のデザイン・イラストのほか、さまざまなアイデアクラフト作品を発表。おもな著書に『食べたあとのお楽しみ! かわいいパッケージクラフト』シリーズ(汐文社)『かわいいエコ*雑貨』(小学館)など多数。
https://misaking.net/

3時間目

折り曲げポーチや
コードケースをつくろう!

スナック菓子の袋が
折り曲げポーチに変身!

袋素材のパッケージをミシン縫いして、マチつきの折り曲げポーチをつくってみましょう。不織布マスクに使⽤されているノーズワイヤーを用いた、ファスナーがなくても開口部を折り曲げて閉じることができる優れモノです。

素材は、袋物なら何でも使えます。国産パッケージは丈夫で厚く、海外パッケージは薄手のものが多いです。マットな素材のものだとシワが目立ちにくいです。今回は、ヌーヘルスの「コーンアップ テキサスBBQ味」の袋を使います。

折り曲げポーチ
<必要な道具・材料>
・スナック菓子の袋(2個)
・定規
・マスキングテープ
・カッター
・カッターマット
・ノーズワイヤー(4本)
・ミシン

袋の形を整えて
折り曲げ部分をつくる

まず、縫う前の準備をします。

1.筒状にカットしてきれいに洗った袋素材のパッケージを2つ用意し、筒状のまま2つの絵柄の位置を合わせ、上下のサイズを切りそろえます。マチをつけて縫い合わせるため仕上がりは一回り小さくなります。余裕を持たせてカットしてください。

2.パッケージ2枚が平らになるよう、両サイドに爪や定規でしっかり折り目をつけます。折り目から1cmは縫い代です。薄手のパッケージの場合は、筒の内側から折り目の線の両側に1.5cm幅のマスキングテープを貼って補強しましょう。両方の開き口から手を入れると貼りやすいですよ。

3.パッケージの上部から2cm下の線(あ)の部分に爪などでしっかり折り目をつけます。さらに線(あ)から1cm下の線(い)の部分にも軽く折り目をつけます。

4.マスキングテープの中心にノーズワイヤーを1本ずつ貼りつけたものを4本用意します。背面側はパッケージ裏面の両サイドとセンターの計3か所、正面側はパッケージ裏面のセンター1か所に、(い)の折り目を上端にしてノーズワイヤー付きテープをそれぞれ貼ります。

ミシンで縫い合わせて
くるんと裏返せば完成!

次に、ミシンで縫っていきましょう。
縫い目が細かすぎると袋素材が裂けることがあるので、5mmほどの間隔にするのがおすすめです。
表面がツルツルしているパッケージは、ミシンの布送り機能がうまく働かないことがあります。その場合は、ティッシュや薄手の紙を敷いて一緒に縫い、縫い終わった後に破って外します。

5.2つのパッケージは1枚ずつ、上部を(あ)の折り目を使って裏面方向へ1cm幅の三つ折りにして(い)のラインでマスキングテープで固定し、キワの部分をそれぞれミシンで縫います。続いて、パッケージを中表に重ね合わせてマスキングテープで仮止めし、両サイドと底をコの字に縫います。仮止めしたテープの直前まで縫い進めたら一度ミシンを止め、テープを外してさらに縫います。

6.底の角をしっかり開いて潰し、角から約2cmの位置に折り目をつけてマチを縫います。マチの幅は角からの距離が長いほど広くなるのでお好みで調整してください。薄手のパッケージの場合は、マスキングテープで補強してからテープごと縫い上げます。この場合、後でミシン針は拭いてテープの粘着剤を取り除いておきましょう。

7.袋を表に返します。途中でくしゃくしゃになっても気にせず、一気にひっくり返すのがポイントです。形を整えたら完成です。

手縫いでチャレンジするときは、先に定規と目打ちで等間隔に穴を開けておくと針が通しやすいですよ。

バターのカップでつくる
おしゃれなコードケース

ご家庭で使える雑貨を、もう一つ紹介します。食べ終わったバターやアイスクリーム、バターなどのフタ付きのカップでつくるコードケースです。デスクの上でごちゃごちゃになってしまいがちなコード類を、コンパクトに収納でき、便利です。気に入ったパッケージでつくれば、シンプルなデスク周りのアクセントにもなるでしょう。

コードケース
<必要な道具・材料>
・アイスクリームやジャム、バターなどのフタ付きのカップ(紙やプラスチックなどハサミで切れるもの)
・ラップやトイレットペーパーなどの芯
・ボール紙
・木工用接着剤(ボンド)
・カッターやハサミ
・クリップ数個

※冊子「交流」(89号)「かわいいパッケージで作る、コードケース」に掲載された内容です。
 現行のパッケージと異なる可能性があります。

家庭にあるものを
組み合わせて
気軽に製作できるのが魅力



1.カップ内側の高さ(フタをしめた状態で)より2cm長めにラップの芯をカットし、両端に1.5cmの長さの切り込みを1cm間隔で入れます。

ラップの芯によっては固くて切りにくいものもあるので、切る際には注意が必要です。

2.カップの底面(内径)のサイズに合わせてボール紙を4枚カットします。

3.2でカットしたボール紙のうち2枚の中心をラップの芯の外径よりやや大きめの円で切り抜き(A)、残り2枚はラップの芯の内径よりやや小さめの円で切り抜きます(B)

4.1に(A)2枚を通し、両端の切り込みを外側に折り曲げ、(A)に木工用接着剤で貼り付けます。

5.(B)を4の両端にそれぞれ木工用接着剤で貼り、木工用接着剤が乾くまでクリップなどで固定します。これがコードを巻く芯になります。

6.カップの口に2か所、U字に切り込みを入れまする。5にコードを巻いてカップに入れ、切込みからコードを出してフタをしたら完成です!

カップの口部分の切り込み位置や深さは、コードの太さや使い勝手に合わせて調整するとよいでしょう。

デザインされたパッケージを使うことで、誰でも気軽におしゃれな雑貨をつくることができます。みなさんも、お気に入りのパッケージを見つけて、世界に一つだけの文具や雑貨をつくってみませんか?

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