おとなの相談室

知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします

もっと楽しむ!
植物がある暮らし
(3時間目)

July 31. 2025(Thu.)

1・2時間目では、観葉植物を育てるためのポイントや水やりなど日々のケアのコツなどをお伝えしました。
3時間目は、インテリアとの組み合わせの楽しみ方や年単位でのお手入れの必要性、引っ越し時の注意点を川橋さんに解説いただきました。

ー1時間目の記事はこちら
はじめての観葉植物育てやすい種類を選ぼう(1時間目)
ー2時間目の記事はこちら
観葉植物を元気に長く育てるための基本(2時間目)

garage NAGOYA 店長
川橋昌展さん
「クワズイモ」(サトイモ科の植物)に魅了されたことをきっかけに、さまざまな観葉植物の育成に熱中する子ども時代を送る。「植物と暮らす」をコンセプトとする株式会社ガレージに勤務し、「garage NAGOYA」のオープニングメンバーとして立ち上げに参加。豊富な知識を生かし、植物を迎える人に対して多岐にわたるアドバイスをおこなうほか、仕入れにも携わる。
https://garage-garden.com/shoplist/garage-nagoya/
https://www.instagram.com/garage_livingwithplants/

3時間目

空間を含めて、観葉植物を楽しもう!

どんなインテリアと観葉植物は相性が良い?

観葉植物を購入するにあたって、お部屋のインテリアとの相性を気にされる方は多いと思います。もともと人気のある北欧デザインや最近流行している日本と北欧インテリアの雰囲気を併せ持つジャパンディスタイルは、インテリアに木を取り入れることが多いので、どんな種類の観葉植物とも相性が良いんです。強いて言うなら、枝ぶりがある程度見えて、細く優しい雰囲気のものだと馴染みやすいかと思います。

例えば、異なる色の葉が混ざっているのが特徴のクロトンは、モダンなデザインにも畳敷きの純和風のお部屋にも合いますよ。反対に幹が太くて力強いものは、スチールと木材を合わせたようなアメリカンテイストのインテリアにぴったりです。

ただ、あまり意識しすぎる必要はないと思います。観葉植物の種類よりも、インテリアとの相性を左右するのは、鉢や鉢カバーです。薄いグレーや明るいベージュなどニュアンスカラーのものなら主張が少なく、どんなテイストのインテリアにも馴染みやすくておすすめです。またインテリアに合わせて変えるのも楽しみのひとつです。

鉢カバーは、鉢より一回り以上大きくて底に穴が空いていなければ何でもOK。スチール製のダストボックスや小型であればマグカップなどの食器類も活用できます。固定観念にとらわれず、いろいろ試してみると、より楽しくなっていきますよ。

遊び心を取り入れてボタニカルライフをより豊かに

ワイヤーなどで鉢を吊り下げるのも、最近人気の方法です。ただ、お部屋の上部空間は温かい空気が溜まりやすく、高い位置は植物にとって過酷ともいえます。吊り下げるのであれば、ご自身が立った時の目線くらいの高さに鉢がくるようにしましょう。高さが調整でき、カバーと鉢を分けられるタイプは、日々のお手入れもしやすいです。

他にも、植物の特性を生かした方法で育てた観葉植物もあります。例えば、ビカクシダ(コウモリラン)は、自然界では樹木や岩などに着生して成長する植物で、コルクや流木などに板付けして、それを壁かけにするといったこともできます。デザインや飾り方のバリエーションなども楽しみながら、ぜひお部屋の雰囲気と合うものを探してみてください。

定期的な植え替え、剪定で元気をキープ

観葉植物は、定期的に手入れをしないと根詰まりを起こし、酸欠状態に陥って枯れてしまうことがあります。環境にもよりますが、基本は2〜3年に1回の頻度で根詰まりを起こしていないかチェックし、必要に応じて植え替え作業を行いましょう。

手順は、2時間目の紹介したとおりで、鉢から植物を取り出したら縁の部分を軽くほぐします。そして、鉢に新しい土を入れて再度植えていきます。植物の大きさにかかわらずご自宅で行える作業ですが、自分でやるには不安ということであれば、専門店の植え替えサービスを利用してみましょう。

また、枝ぶりを良くし、葉までしっかり栄養を行き届かせるためには、定期的な剪定も不可欠です。専用のハサミを用意して、熱消毒やアルコール消毒をしてから剪定すると、植物を病気から防ぎやすくなります。葉の色が少し薄くなった場合には、土の栄養不足も考えられるので、元気な状態に保つためにも肥料を加えてみてください。

思わぬトラブルが起こりやすい引っ越しの注意点

引っ越しをする際は、できれば車を用意してご自身で運搬しましょう。というのも、引っ越し用のトラックの内部は夏は暑く、冬は寒いといったように、観葉植物には非常に厳しい環境です。また、トラックの天井は意外と低いので、葉が当たって傷つくことも考えられます。
作業中に思いがけず長時間直射日光にさらされてしまったり、倒されてしまうなど、せっかく育ててきた観葉植物が、1回の引っ越しでだめになってしまった、ということも実は珍しくありません。

作業員の方は観葉植物の専門家ではありません。ベストは、一番そばで世話してきたご自身で運ぶことなんです。大型の乗用車ならある程度の大きさの観葉植物を運べます。やむを得ず、引っ越し業者の方に任せる場合は、夏は新聞紙などの紙類を巻き、冬は寒さを防ぐために気泡緩衝材などで保護してください。

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