知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします
良いものを
TPOに合わせて選ぼう
革靴に愛を込めて
(3時間目)
March 06. 2023(Mon.)
とっておきの一足を選んだものの、使えるシーンが限られていたりお手入れが難しかったりすると、履く頻度が低くなり宝の持ち腐れになってしまった。そんな経験はないだろうか。今回は、年間約2000足もの靴を扱う小川大地氏に、プロ目線での「失敗しない良い革靴の選び方」を語ってもらった。
ー1時間目の記事はこちら
あなたの“相棒”をきれいに長持ちさせるコツ 革靴に愛を込めて(1時間目)
ー2時間目の記事はこちら
正しいメンテナンス方法を知っておこう 革靴に愛を込めて(2時間目)
- Chou Choute- 代表
- 小川 大地
- 靴修理と靴磨きの職人。大手リペアサービス会社で靴修理の修行を積んだ後、2018年「名古屋観光ホテル」1階に「Chou Choute-(シュシュット)」を開業。ワックスメーカー「サフィール」が実技と知識を認めたスペシャリスト「サフィールシューケアトレーナー」の名古屋市内唯一の資格保持者。通常の靴磨きはもちろん、鏡面磨き、キズ補修・シミ抜き・クリーニングや染め替え、さらに革製品全般のケアをしている。少人数制の靴磨き教室も開催。 ※「Chou Choute-」は、2023年7月に閉店し、同年8月に「シューズサロン VINGIAN(ヴィンジアン)」として名古屋市中区丸の内に移転・オープンしました。
- https://s-s-vingian.com/
シューケア職人視点の
“いい靴”ってどんな靴?
同じ革靴といっても、造りも履いた時のしなやかさもさまざま。ビジネスのお供に長く使いたいということでしたら、耐久性に優れていて手入れのしやすい靴はいかがでしょうか。
靴はアッパーとソール(靴底)の貼り方により、主に「セメント製法」「マッケイ製法」「グッドイヤーウェルテッド製法」の3種類があります。私が一番おすすめしているのは「グッドイヤーウェルテッド製法」の革靴です。アッパーとソールを2回に分けて縫い付ける「複式縫い」という方式が使われており、重厚感が感じられ防水性や耐久性に優れています。
革の種類は一般的なスムースレザーのほかに光沢の強いガラスレザーやスエードがあります。ビジネスシーンではスムースレザー、雨の日にはスエードやガラスレザーなど用途や天候によって履き分けるといいですよ。
そして、色味はお手入れの簡単さという点ではダークな色のほうがベターだと思います。
フォーマルにも使えるのはどれ?靴選びのTPO
写真の左からフォーマルな順に、ストレートチップ、オックスフォード、モンクストラップ、セミブローグ、ローファー。
最もフォーマルなストレートチップは、ビジネスシーンはもちろん冠婚葬祭にも適しています。一足持っておいて損はないかもしれません。
最近ではウイングチップの革靴を愛用しているビジネスマンも見かけます。
色はブラックが一番フォーマルです。ブラウンは明るくなればなるほどカジュアルな印象に。シーンに合わせて使いこなしていきましょう。
女性の革靴やバッグは
お手入れが大変!?
靴のお手入れは、男性用でも女性用でも変わりません。
また、バッグをお手入れしたいという方も多いと思います。バッグと靴のメンテナンスで大きく異なるのは、色の付いたクリームは使わないということ。服に色移りしてしまうのです。カバン専用のものを使ってください。手順は靴と同じで、まずはブラッシングでホコリを落とします。その後栄養補給と保湿を行い、ブラッシングして、最後に拭き上げて終わりです。靴に比べて酷使されないため、3ヶ月に1回ほどのお手入れでいいかと思います。