おとなの相談室

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趣味で始めるレザークラフト
多彩なアレンジで個性を
(3時間目)

April 25. 2024(Thu.)

財布や名刺入れ、手帳など、普段から革製品を使っている人は多いのではないでしょうか。革製品を自作するのは難しいというイメージがあるかもしれませんが、基本をマスターすれば、小物であれば初心者でも手軽に楽しめるため、大人の趣味としておすすめです。レザークラフトについていろいろ教えていただいたのは、愛知県名古屋市にある皮革材料専門店「愛産商会(Craft Shop AISAN)」の渡邉翔太さん。最終回となる今回は、手軽にできる革製品のアレンジ方法を紹介してもらいました。

ー1時間目の記事はこちら
趣味で始めるレザークラフト 革製品の魅力を深堀り(1時間目)
ー2時間目の記事はこちら
趣味で始めるレザークラフト 初心者におすすめのアイテム(2時間目)

愛産商会(Craft Shop AISAN)
渡邉翔太
1950年創業の皮革材料専門店「愛産商会(Craft Shop AISAN)」。皮革材料全般の販売や各種加工、OEMのほか、革製品の自社ブランド「Scelta(シエルタ)」を展開。レザークラフトの基本技術が学べるワークショップも開催している。渡邉翔太さんは、もともとお客として通っていたことがきっかけで入社。「レザークラフトでものづくりをするとき、そしてお店で革製品を買う際には、素材がどこからやってくるのかということを正しく理解していただいて、サステナブルな活動の輪に加わって欲しい」という想いで店頭や催事に立ち、革製品の魅力を広く伝えている。
https://www.aisan-shoukai.co.jp/

3時間目
レザークラフトで、
より個性的な作品を作るには?

マーブリングで
アートな作品を

世界に一つだけのオリジナル作品を作りたい人におすすめなのが、「マーブリング」です。
不規則な模様や色の混ざりを生み出すことができるのがポイント。
コースターやカードケースといったシンプルな作りのアイテムでも、マーブリングした革を使うことで、アーティスティックな作品になるでしょう。

専用の道具さえ揃えれば、自由な柄模様に。増粘剤に染料を複数色垂らし、細い棒で引っ掻くようにしてマーブル模様を作ります。その上から、染料の付きやすいヌメ革のタンローをかぶせて、模様をうつしていくだけ。あっという間にカラフルな革ができあがります。

刻印で簡単!
ワンポイントの模様

手軽にオリジナリティを出すなら、「刻印」もいいでしょう。
革に刻印を打ち、タンニンなめしの革に力を加えると表面が凹む性質を利用して凹凸の模様を付けていく技法です。
市販の花や動物などの刻印をワンポイントで入れると、オリジナリティを出すことができておすすめです。
また、プレゼントをする際にはアルファベットの刻印で相手のイニシャルを付けるのもおしゃれです。
さらにデザインにこだわりたい場合は、円やしずく型などの刻印を連続して型押しし、革全体にパターン模様を入れることもできます。

スタッズやカシメで
個性を表現しよう

デザインの凝ったスタッズやカシメ(革のパーツ同士を連結する金具)を取り付けるのもよいでしょう。
スタッズやカシメをランダムや一直線に配置したり、好きなように革製品をデザインしてみましょう。
財布やベルトに尖ったピラミッド型のスタッズを付ければ、ワイルドに仕上げることができます。
また、キラキラしたパーツやストーンの付いている小ぶりなカシメをつけると、たちまち華やかに。

一見難しそうなレザークラフトですが、基本の技術さえマスターすれば、あとは簡単なアレンジを加えるだけで個性の光る作品を作ることができます。
“一生モノ”を自分の手で作ることの楽しさを、ぜひ味わってみてください。

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