
知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします
照明による演出効果で、
ずっと居たくなる空間へ (3時間目)
April 24. 2025(Thu.)
1時間目、2時間目で、照明の基本的な種類や選び方をお伝えしました。
3時間目は、実際に照明を使うときのコツを伺います。少しの工夫で「ずっとここに居たい!」と思えるような空間にする照明の使い方を紹介します。
ー1時間目の記事はこちら
暮らしをもっと心地よく照明の基本を知ろう(1時間目)
ー2時間目の記事はこちら
自分に合った照明、どう選ぶ?(2時間目)

- ライティングコーディネーター・株式会社エクセレ 代表取締役
- 平林大典
- 一般社団法人日本ライティングコーディネート協会認定「ライティングコーディネーター」。電気設備設計・工事から販売まで幅広く照明に関する事業を手がける株式会社エクセレの代表。専門的で幅広い知識に基づき、ライフスタイルに合わせた理想的な照明空間づくりを手がけている。 名古屋市名東区に輸入照明を中心としたこだわりのショールーム「Elighting」も展開している。
- https://www.e-lighting.jp/
- https://www.instagram.com/e.lighting5/
“色温度”で生活にリズムを


照明には色温度があり、ケルビン(K)という単位によって表されます。
色温度を大きく分類すると、ケルビン数が低いほうから「電球色」「昼白色」「昼光色」に分けられます。シーンによって色温度を使い分けることで、生活にリズムができます。
・「電球色」(2,600〜3,250K):温かみのある落ち着いた雰囲気でリラックス空間に適する
・「昼白色」(4,600〜5,500K):自然光に近く、キッチンやメイクをする場所など適する
・「昼光色」(5,700〜7,100K):青白い光で、特に集中力を必要とする作業に適する
例えば、朝は日の出を演出するように「電球色」から「昼白色」に徐々に調整することで自然な目覚めを引き出したり。昼に集中したい時はデスクライトなどで「昼白色」、夜のリラックスに向かって行く時間帯は全体の照明を「電球色」に合わせると自分の気持ちも切り替えられるでしょう。
お子さまがなかなか寝付けないというお悩みを持つ方も、夕方以降はなるべく青白い光を避け、温かみのある色に調整することで、体の生活リズムが少しずつ整えられるかもしれません。
最近では、リモコンなどで色温度を調整できる便利な照明もあります。
色温度に気をつけるだけで部屋での居心地のよさがグッと変わりますよ。
くつろげるリビング・ダイニングを演出する照明のコツ



ゆったりとくつろげるリビング・ダイニングをつくるには、「ペンダントライト」「フロアスタンド」「テーブルランプ」を効果的に取り入れましょう。
「ペンダントライト」は、ぜひダイニングテーブルの上に取り入れて欲しいもの。
例えば、ほかの照明を落としペンダントライトのみを点けて食卓を囲むと、部屋のほかの場所に目が行きにくくなり食事の時間に集中できるので、食卓を囲むみんなの会話も弾みます。
「フロアスタンド」「テーブルランプ」を間接的に取り入れても効果を感じられます。
設置する場所は壁際やソファの横など、照明が視線に入りづらい位置を選びましょう。
壁にライトを当てるように設置すると、光がやわらかく部屋に広がります。照明の色温度は「電球色」が良いでしょう。
お気に入りの照明を一つ見つけて、棚などに置くだけでも部屋の雰囲気がおしゃれに変わりますし、何より気に入った照明が目に入るだけで幸せな気持ちになります。手軽に取り入れられる照明からでも、ぜひ間接照明の効果を体感してみてください。
心地よい寝室をつくる照明のコツ


心地よく入眠できるような寝室づくりに、照明は大切です。
効果を発揮するのは「テーブルランプ」「ペンダントライト」です。
就寝前に読書をする方は、テーブルランプをベッドサイドのテーブルやキャビネットの上に置いて、手元を明るく照らして使いましょう。寝る直前に立ち上がる必要がない場所に設置するのが鉄則です。シェード付きで直接光が目に入らないものを選びましょう。
寝室に吊るすペンダントライトは、暖色系のガラス素材や和紙などを使った温かい雰囲気の素材のものを。
もっと手軽に雰囲気を変えたい方は、充電式で持ち運び可能な「ポータブルライト」が便利です。寝室はもちろん、リビング、さらにはバルコニーやキャンプなど屋外でも使えます。
たくさんご紹介してきましたが、自分の好きを大切にいろいろな方法を試しながら、自分にとって心地よい照明の使い方をぜひ見つけてみてください。