
知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします
スーパーマーケット研究家イチオシの
中部のローカルスーパー
(2時間目)
August 26. 2025(Tue.)
1時間目では、菅原さんが唱えるご当地スーパーの定義と楽しむための第一歩を教えてもらいました。
2時間目は、中部地域のご当地スーパーとその特色についてお聞きします。
あなたが住んでいる地域には、どんなご当地スーパーがあるのか? 旅をする気持ちで楽しんでみましょう。
撮影協力/ファミリーストアさとう 国分寺店(岐阜県高山市)
https://www.tokutokusatou.com/company/shop/#kokubunji
ー1時間目の記事はこちら
地域の「食」を知るなら、ご当地スーパーへ!(1時間目)


- スーパーマーケット研究家
- 菅原佳己
- 全国のご当地スーパーを自身で巡り、その魅力を本にまとめ、専業主婦からスーパーマーケット研究家の道へ。中部地域には合計16年暮らし「東海ご当地スーパー 珠玉の日常食」(ぴあMOOK中部)を2018年に出版。『マツコの知らない世界』(TBS系)では、各地のスーパーの名品を紹介し、ご当地スーパーブームの火付け役となった。現在は、執筆・マスコミ出演・講演などの活動をおこないながら全国のスーパーマーケットに自ら足を運び、日常食の発掘とその魅力を伝えている。著作多数。近著に「47都道府県 日本の地元食大全」(平凡社)
- https://www.gotouchisuper.online
- https://www.instagram.com/i_love_supermarket/
中部地域はご当地食の宝庫!




ご当地スーパーには、その地域に暮らす人が日々当たり前のように食べている食品が販売されています。「売れる」から陳列される、つまりは地域の人たちが「好き」なものである、ということです。毎日の食事のシーンに登場する、気取らなくて気軽で、でも地域で親しまれてきた食というのは、その地域の文化そのものであり、とても尊いものだと思うのです。そんな尊さに出会った時は、言い尽くせないほどの感動を覚えます。
全国のスーパーマーケットと比較しても、中部地域はご当地食の宝庫だと思います。各県ごとの特徴が多くあるだけでなく、同じ県内でもさらに地域別に細分化できて、特定の狭いエリアでしか扱っていない商品がたくさんあります。
中部5県のおすすめスーパーは?(愛知県・岐阜県)


中部5県のおすすめのご当地スーパーをご紹介します。各県いくつも魅力あふれるスーパーがあるのですが、ここでは特徴的なお店を各県1店舗ずつご紹介します。
【愛知県】
「サンヨネ 蒲郡店」 https://www.sanyone.co.jp/shop/shop6/
開店前には行列ができて、オープンと同時に市場のような魚売り場をめがけて走るお客さまがいっぱい。それもそのはず。1892年に創業した海産物問屋が前身であるため、カツオ節や海苔の品揃えが素晴らしく、魚は対面販売で希望を伝えるとその場でさばいてくれます。
【岐阜県】
「ファミリーストアさとう 国分寺店」 https://www.tokutokusatou.com/company/shop/
高山市内に7店舗展開する地元発祥のスーパーで、1959年創業。中でも国分寺店は、2020年にオープンした新しい店舗。駅や観光地からのアクセスがよく、他店同様に地元食が満載。購入したお惣菜を2階のイートインコーナーで味わうことができるのも嬉しいおもてなし。
中部5県のおすすめスーパーは?(三重県・静岡県・長野県)


【三重県】
「ぎゅーとら ハイジー店」 https://gyutora.com/stores/18
「ぎゅーとら」の前身は、1929年に大阪で創業した精肉店。戦後、店主の清水虎吉氏が故郷の伊勢に戻り「牛虎」を開業。現在、三重県内に28店舗を展開しています。メンチカツを串に刺して秘伝のタレをかけた「ミンチ串」が名物というのも、精肉店発祥ならでは。地元農家の直売コーナー「おおきんな(三重県の方言で「ありがとう」の意味)」は見応えあります。
【静岡県】
「スーパーまきうち」 https://www.instagram.com/super_makiuchi/
愛知・長野との県境にある静岡県西部の個人商店。オーナーご夫婦は、地域全体を盛り上げるために山間の店でまぐろ解体ショーを企画。今では、まぐろ解体ショーのプロとしてイベントに呼ばれるほどに。地域が抱えている空き家問題を解消するべく、さまざまな取り組みも行っているそうです。
【長野県】
「新鮮屋オタギリ」 https://otagiri.shop/
1970年開業。精肉店が前身、グループ企業にオタギリ牧場があります。特に人気は馬肉で、国産の馬を一頭買いして店内でさばくのがこだわり。馬刺し以外の希少な内臓部位も販売しています。地元・信濃ハムの品揃えが豊富なのも嬉しいポイント。牛肉は、小田切牧場産信州プレミアム牛を中心に販売しています。