おとなの相談室

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100円ショップで買える防災グッズ&
自分なりの防災リュックを備えるコツ
(2時間目)

September 29. 2025(Mon.)

1時間目では、「防災ママかきつばた」の原田友紀さんと野中瞳さんから「防災」に対する心構えや地域の特性を知る大切さを教えてもらいました。
2時間目では、原田さんが実際にご自宅で活用している100円ショップで入手可能な防災グッズや非常用リュックを用意するうえでの心構えなど、より具体的に災害に備える術を教えていただきます。

ー1時間目の記事はこちら
今日からできるわが家の防災(1時間目)

防災ママかきつばた
原田友紀さん(左) 野中瞳さん(右)
2016年設立の「防災ママかきつばた」のメンバーとして、主に乳幼児や親子向けに防災啓発をおこなう。 原田さんは2児のママで、管理栄養士・上級幼児食アドバイザーとしての目線からも防災に関するアドバイスを送っている。野中さんは男の子4人のママで、能登半島地震の際にボランティアとして現地へ赴いた経験を持つ。それぞれの専門・得意分野を活かした防災講座・講演・イベント出展で活動中。
https://ameblo.jp/bosaimama/
https://www.instagram.com/bosai_k/

2時間目

自身の環境に合わせて備える
災害時お役立ちグッズ

100円ショップでも買える!
身近な防災グッズ

身近にある100円ショップにも災害時に役立つグッズが多く販売されています。原田さんに、いくつかピックアップしていただきました。

「災害時は水が貴重になり、手を洗えない場合があります。食中毒や感染症のリスクを少しでも抑えるため、使い捨てのポリエチレン手袋は常備したいですね。同じ理由でウエットティッシュも備えておくとよいでしょう」(原田さん)

家具や家電を固定することの大切さについては1時間目でも教えてもらいましたが、耐震ジェルマットも100円ショップで販売されているそう。ぜひともチェックしてみてください。

また、原田さん宅には階段やドアノブなど至るところに蓄光テープが貼られています。
「夜間に停電が起こったり、電気が使えなくなってしまうと避難経路がわかりづらくなってしまうので、我が家では蓄光テープを多用しています。これも100円ショップで購入できますよ」(原田さん)

大人用と子ども用
防災リュックの中身は?



「防災」と聞いてまず連想するのが、防災リュックなど「非常持ち出し袋」ではないでしょうか。原田さんが備えている防災リュックの中身を見せていただくと、着替えや非常用トイレ、非常食、飲み物など意外なほどシンプルな内容でした。

「私の住んでいる町は津波や液状化現象の心配が少ない地域ですので、1日の避難を想定して備えています。車の中にも別に備蓄していて、中身は最低限に留めていますね。ただし、メガネなど代わりが効きにくい品は忘れずに備えておいたほうがよいです」(原田さん)

ついつい不安からあれもこれもと詰め込みたくなりますが、無理なく持ち出せる重量に留めることも大切だそうです。

一方で子ども用の防災リュックにはぬいぐるみやおもちゃなど、一見すると非常時には不要と思える品も収納されていました。

「子どもたちの希望もあり、お気に入りのぬいぐるみなども入れています。非常時はメンタル面のケアもとても重要。防災や避難に対して子どもたちにネガティブなイメージを与えすぎないことも大切です」(原田さん)

そのほか災害時に子どもたちとはぐれてしまった時に役に立つよう、保険証などと一緒に両親の身元がわかる写真やプロフィールカードを入れるなど、工夫が随所に見られました。

非常持ち出し袋は
どこに収納すればいい?

「玄関の靴箱を防災リュック入れにして、いざというときに持ち出しやすいようにしています。能登半島地震の際は、津波警報が発令され一刻も早い避難を余儀なくされたこともあり、ほとんどの人が非常用持ち出し袋を持って避難することができなかったそうです」(原田さん)

「よほど緊急でない限りは靴を履いて避難しますので、靴箱に防災リュックを入れることは理にかなっていると思います」(野中さん)。

靴箱の扉の裏には「ブレーカーをおとす」「ガスの元栓をしめる」など、避難する際におこなうべき行動が記されていました。これなら非常時も落ち着いて行動できそうです。

常に携帯!
防災ポーチ

さらに原田さんは、外出先や旅行先で被災する場合に備え、最小限の非常用グッズを小さなポーチに入れて、普段使いのバックに常に携帯しているそうです。

「緊急用のホイッスルやロングライフの甘味、保湿液など。また私は爪が割れやすいので爪切りを携帯しています。人によって必要なものが違うと思いますので、それぞれの暮らしの環境や好みなどを踏まえて選んでみてください」(原田さん)

外出するときのお守り代わりのようなポーチ。もちろん、汗を書いた際に塩分チャージのタブレットを口にするなど、災害時に限らず活用でき、持っていると安心です。

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