甲斐みのりわたしのまちのたからもの

中部地域のさまざまなまちを文筆家・甲斐みのりさんが訪ねます

どの店も気になる!
こだわりが詰まったグルメをめぐる
「ART&CRAFT 静岡手創り市」(静岡県静岡市)

January 20. 2025(Mon.)

ー前回までの記事はこちら
1/4
全国から注目されるクラフトイベントへ「ART&CRAFT 静岡手創り市」(静岡県静岡市)
2/4
全国から集った選りすぐりの手しごとを愉しむ「ART&CRAFT 静岡手創り市」(静岡県静岡市)

日本では古来からつくり手と買い手をつなぐ場として、同じ季節や決まった月日に野外でおこなわれる“市”が大きな役目を果たしてきました。
物資の流れが多様化し、さまざまなものがすぐさま手に入るこの時代にも、人や物の交流を生み、賑わいを呼ぶ市が開催されています。
「ARTS&CRAFT 静岡手創り市」もそのひとつ。毎年春と秋に各2日間開催され、静岡県の内外から人が集まる大人気のクラフトマーケットです。2024年秋、念願だったこのイベントに足を運び、主宰者・名倉哲(なぐらさとし)さんにお話を伺うとともに、2日間じっくりと楽しむことができました。
今回は、訪れたブースの中から、印象に残った飲食店をご紹介します。

ART&CRAFT 静岡手創り市
https://www.shizuoka-tezukuriichi.com/
https://www.instagram.com/a_c_shizuoka/

境内の自然の中で
飲食ブースを堪能

「ART&CRAFT 静岡手創り市」は、人の手から生まれる作品や食べ物が好きな人たちにとっては夢のような空間。実際に、こんなにもキラキラとした輝きを放つ美しいものが集まる場所というのは、明るい光が差し込む物語の世界に身を置いているようなドラマチックな光景です。

前回に引き続き、私が足を運んだブースからいくつかピックアップしました。今回は、飲食ブースをご紹介します。

飲食エリアで求めたものを、神社の森の中で味わうことができたのも、とても豊かな時間でした。
感覚が研ぎ澄まされたためか、普段の何倍も美味しく感じられました。

木々と池があり、心落ち着く景観。

「Chipakoya(チパコヤ)」

以前、静岡でトークイベントを開催した際、参加してくださった方から「chipakoya(チパコヤ)」さんのお菓子をいただいたことがありました。
素材の味を生かしながら、みずみずしくて滋味深い味わいに感動したことを覚えています。
WEBサイトには「食品衛生学〜栄養学まで きちんと学んだ 調理師 (国家資格取得者) 管理のもと 製造及び販売をしています」との記述があり納得。
季節の素材や、食べる人の体のことも、しっかり考えてつくられているということが伝わってきました。

この日は、甘さ控えめで素朴ながらも素材の力をぎゅっと感じる揚げたてのドーナツと全て静岡産の素材と甜菜糖でつくられた季節の果実シロップドリンクをオーダーしました。
木々からこぼれる光の中で味わうことができて感慨もひとしお。カウンターに季節のシロップがずらりと並ぶ中から好きな果物を選ぶ時間も幸せでした。

「Chipakoya」
https://www.chipakoya.com/
https://www.instagram.com/chipakoya/

優しい木漏れ日の中で食べられるのも嬉しい。

「しばきり園」

静岡市清水区・茂畑で240年も前からお茶を育てているという茶農家「しばきり園」三代目・杉山忠士さんに、お茶を試飲させていただきました。

静岡生まれの私は、幼い頃から日常の中にお茶が当たり前にあり、一日に何度もおいしいお水と茶葉で淹れるお茶を飲んできました。
しかし、ここで新たな体験をすることになりました。白葉茶という天然のアルビノのお茶を初めて味わえることに。色素をもたない茶葉のお茶は、風味に独特の野菜っぽい香りがあり、渋みが少なくてとてもおいしい。

贈答用のお茶のパッケージデザインやSNSの写真もステキで、聞けば園主自ら手掛けられているとのこと。広大な茶園でお茶を育てるだけでなく、さまざまなことに感覚を研ぎ澄まし活動されている姿は静岡の誇りであり、自分の背筋ものびました。

「しばきり園」
https://shibakirien.stores.jp/
https://www.instagram.com/shibakirien_shizuoka/?hl=ja

つくり手や土地でお茶の個性が異なると
知ることができ感心しました。

「草木寧日(くさきねいじつ)」

三島を拠点とする植物療法士・長嶋奈々子さんがブレンドするハーブティー。ご自身が長年の体調不良から植物療法を学び、心身を整えてきたそうです。

オーガニックを中心に、無農薬・残留農薬検査済みのハーブを使ってつくるお茶は、豊かな香りと優しい味わい。
もともとハーブティーが好きなので、草木寧日(くさきねいじつ)でお茶を買うのを楽しみにしていました。いろいろと試飲させていただいて、どれにしようか選ぶ時間は幸せそのもの。自分自身の心と身体が喜んでいることが分かりました。

選んだのは、クワ・スギナ・ネトル・ゴボウ・ショウガをブレンドした「巡りのお茶」と、グリーンルイボスとフェンネルを合わせてさっぱりとした風味に仕上げた季節限定の「読書ブレンド」。どちらもふわっと身体が軽くなるような余韻が心地よく残ります。
友人への贈り物にもしたくて、その後にWEBショップで追加注文するほどのお気に入りになりました。

「草木寧日」
https://kusakineijitsu.com/
https://www.instagram.com/kusakineijitsu/

こちらが「読書ブレンド」。
センスの良いパッケージにも心躍る。
「ART&CRAFT 静岡手創り市」
上部へ戻る