中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

地元の銘菓を生み出した和菓子店
伊勢内宮前 岩戸屋・三重県伊勢市

March 30. 2023(Thu.)

日本美人の原型・
お多福さんが、
伊勢おはらい町の
ランドマーク。

ー前回の記事はこちら
https://koryu.chuden.co.jp/wagashi_9

おはらい町の入り口から歩いていくと、お多福さんのお顔が大きな看板になっているのが見えてきます。これが岩戸屋の登録商標「お多福印」。お多福さんは古事記に登場する天鈿女命(あめのうずめのみこと)の呼び名で、天の岩戸にお隠れになった天照大神(あまてらすおおみかみ)を岩戸よりお導きされた神様とされています。この伝説の天の岩戸から、屋号「岩戸屋」が名付けられて、ロゴマークとして「お多福印」が使われています。
「お多福印」は、芸能の神様であり、日本美人の原型と言われています。1910年の創業以来ずっと、岩戸屋の店先からおはらい町を見守っているよう。愛嬌があって、なんとも可愛らしい神様です。岩戸屋では、お菓子をはじめとした伊勢土産を幅広く取り扱っており、観光客の姿も多く見られます。

ロゴマークにもなっている「天鈿女命
(あめのうずめのみこと)」の木彫り座像がお店の真前に。
生姜糖を固める型などが丁寧に磨かれており、
使い込まれた様子がよくわかる。
昔から変わらない生姜糖は、
すべて手作業で丁寧に作られている。

【店舗おすすめ】「岩戸餅」

天照大神が天の岩戸にお隠れになった時に、満面の笑みで舞を披露したのが天鈿女命と言われています。このおめでたい古事にちなんで店舗名がつけられ、作られたお菓子が「岩戸餅」です。
もち米と砂糖で練り上げた餅生地で、こしあんを包み、最後にきな粉をまぶして完成。きな粉は北海道産の大豆を使い、岩戸屋オリジナルで焙煎しているものだそうで、独特の香ばしさが特徴です。
この岩戸餅は、お店の看板商品なだけに、生産が追いつかないほどよく売れるそうです。夏限定で桃ペーストが練りこまれた生地と白あんの「桃岩戸餅」が登場するので、ピンクのパッケージが出ていたら要チェックです。(※2023年は6月〜8月を予定)

オートメーション化されてはいるが、
最後の仕上げは手作業でしっかり目視。
パッケージされて商品が整列していく様は、
どれだけ見ていても飽きない。

店舗情報

伊勢内宮前 岩戸屋
伊勢おはらい町に足を踏み入れた瞬間に見えてくるお多福さん。愛嬌のある笑顔でお客さまを迎えているのは、全世界の人々を笑顔でおもてなしする、という願いが込められているから。伊勢土産などを幅広く取り扱い、食事処なども併設。伊勢神宮を参拝する折にはぜひ訪れたいスポットである。

MAP

〒516-0024三重県伊勢市宇治今在家町58
電話番号:0596-23-3188
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