中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「お福アイスマック」
御福餅本家・
三重県伊勢市

May 10. 2023(Wed.)

発売から70年超の
手作りこしあんアイス

1949年といえば、終戦から4年が経ち、日本全国どの街も復興しつつある頃。伊勢にも旅人が戻ってきており、路面電車の駅で、利用者が電車待ちをする風景も見られました。
当時の御福餅本家の7代目当主は、戦後の栄養不足を補い、暑い夏を乗りきるために何かできないか、と考えたのだそうです。看板商品・お福餅で使う“あん”をアイスキャンディーにしたら、子どもたちはもちろん、大人や伊勢を訪れる旅人も喜ぶのではないだろうか。そのアイデアを早速商品化して売り出したところ、あっという間に人気商品に。さらに、御福餅本家の近くにある二見浦の海水浴場は、夏に多くの観光客が押し寄せるスポットになっており、夏のこしあんアイスキャンディーは瞬く間に知られるようになったのです。
和菓子屋にとって命ともいえるこしあんを、惜しげもなくたっぷりと使って、クリーミーであっさりした甘さに仕上げたアイスキャンディーは、今も昔の姿のまま販売されています。ちなみに、アイスマックの商品名は、横文字がハイカラだった時代に、Merchant(商人)・Azuki beans(小豆)・Candy(キャンディー)の頭文字をまとめて、開発者である7代目が名付けたものです。

国産素材にこだわる。
小豆は北海道産の「きたろまん」のみを使用、
しっかり水に浸す。
毎日炊く小豆の量はおよそ500kg。
工場内は小豆を炊く良い香りがする。
型から取り外し、冷凍庫で再度しっかり
凍らせてから、パッケージする。
レトロなデザインのパッケージがかわいい!

店舗情報

御福餅本家
江戸時代中期の1738年に、小橋長右衛門が創業。伊勢参りや熊野街道をゆく旅人に茶店であんを使ったお餅を提供したのが、そのはじまりである。手詰めで丁寧に作る商品は、地元の顧客から観光客まで、幅広く愛されている。「伊勢のやさしいお福わけ」を理念に、伊勢名物の「お福餅」をはじめとした商品で、今も昔も旅人の心とおなかを満たす存在だ。

MAP

〒519-0609三重県伊勢市二見町茶屋197‐2
電話番号:0596‐43‐3500
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