中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「へこきまんじゅう」
たまきや・三重県名張市

March 06. 2024(Wed.)

美味しさと面白さに満ちた
お菓子が生まれたエピソード

赤目四十八滝といえば、三重県の有名な観光名所。その入り口付近で、大きな「たまきや」の看板が目に入ります。
現店主の藤澤友圭子さんは3代目。もともとは、友圭子さんの祖父母にあたる玉置春雄さん、よう子さん夫婦が観光客向けの土産屋を営んでいました。やがて店を手伝うようになったのが、友圭子さんの母・玉置弘美さん。弘美さんは「お客さまが滝に登って疲れて帰ってきた時に、何かホッとできるお菓子はだせへんかなぁ」と考えたのだそう。
ある日弘美さんは、これならお客さまが喜んでくれるのではないか?と思えるお菓子の試作品を完成させました。早速、夫である武史さんのところに持っていき、試食していたところ、偶然、ひと口食べた武史さんが、“ぷぅ!”とおならをしたのだそうです。そしてすかさず、「これは、へこきまんじゅうやなぁ!」と叫びました。家族みんなが大笑いし、そこで商品名が決まったという、嘘のような本当のお話。
小麦粉・卵・生クリームなどを混ぜて作った生地に、蒸したさつまいもをふんだんに使っており、忍者の形をしています。中身のあんも多種あり、こしあん、つぶあん、さつまいも、抹茶、白、チーズとクランベリー、りんごなど。
つくり始めた当時は、土産屋の片隅で焼いていましたが、お菓子の専門店として2018年にオープンしました。添加物は一切使っておらず、さつまいもの食感がすこし感じられ、どこまでも素朴で懐かしい味は、家族の歴史とともに赤目四十八滝の名物にもなっています。

さつまいもが入っているので、
生地がもったりとしている。
熱くなった鉄板に生地を流し込んで、
あんを入れてから、焼き上がるのに約10分。
添加物を使っていないので日持ちは1日。
ネットでも購入できる。

店舗情報

たまきや
赤目自然歴史博物館の真ん前、赤目四十八滝に行く道沿いに佇む菓子店。滝が目当ての観光客だけでなく、地元の人も訪れ、プレーン味を何十個も買って行く人もいるのだそう。看板に描かれているのは、忍者福笑門。たまきやオリジナルのキャラクターで、笑う角には福来るという思いが込められたもの。

MAP

〒518-0469三重県名張市赤目町長坂786-2
電話番号:0595-63-0113
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