中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

京都、銀座、そして軽井沢
場所を超えて歴史を紡ぐ

ちもと総本店・長野県軽井沢町

May 12. 2026(Tue.)

銀座で花開いた
明治生まれの和菓子屋

創業の地は、明治後期の東京・銀座。ルーツは京都の有名な和菓子屋で、その店に後継者がいなかったため、縁があった初代が看板商品の最中・落雁(らくがん)・村雨(むらさめ)の3商品を受け継ぎいで開店しました。店名の「ちもと」は、ルーツの京都の和菓子屋が“千本通”(せんぼんどおり)にあったことから、通りの漢字の読み方になぞらえたそうです。

初代は、もともと商業デザインを生業にしており、デッサンをして新しい和菓子を創り出すことが大好きだったのだそう。和菓子屋の営業が順調になると、狂言師の野村萬斎氏が命名した「千本三冬(ちもとさんとう)」のペンネームで、婦人雑誌などに和菓子紹介の記事を書いていたといいます。さらに「ちもと総本店」で修業した職人が次々に独立し、暖簾分けをしたため、一時期は東京都内10店舗のほか、全国にも展開する広がりを見せました。昭和になり、第二次世界大戦の戦禍を逃れて本店が軽井沢に移転し、現在に至ります。

現店主の吉田さんは、初代の曽祖父から数えて4代目。「私が修行したのは、かつてうちから暖簾分けされたお店でした。今も全国に3店舗あります。それぞれに商品は違いますが、代が変わってもお互いに情報交換をしています。こうして交流ができるのも、曽祖父から続く歴史のおかげです」と話してくれました。

喫茶スペースでは、軽食から甘味、餅など
豊富なメニューが楽しめる。
オーダーが入ってから焼き上げる団子は、
だし醤油の香りが高い人気商品。
実は、軽井沢の天然氷を使ったかき氷が
年間通じて名物!こちらは宇治金時。

【店舗おすすめ】「ちもとそばだんご」

「ちもと餅」「ちもとそばだんご」「焼きだんご」がちもと総本店の3大人気メニュー。その中のひとつ、ちもとそばだんごは、銀座に店があった頃は草団子として人気があった商品をベースに、軽井沢に移転してから「せっかくなら信州名産の食材を使った団子をつくろう」と考案。そば粉を使った団子になめらかなこしあんをまとわせて仕上げました。

中の団子はそばがきのように、そばがふわっと口元で香り、すこし甘めの自家製あんとの相性が抜群。味わいを例えるなら“そばしるこ”といったところでしょうか。

このほか、季節ごとに生菓子が数種類並んでいるので、春は桜餅、夏は錦玉(きんぎょく)と地元の人々が楽しみにしています。

信州産のそば粉と砂糖を混ぜて
蒸した生地をこねていく。
計量したそばだんごを
こしあんでくるんでいく。
2個を串に刺していく。

店舗情報

ちもと総本店 軽井沢本店
リゾート地である軽井沢のまちの中心に位置。趣のある佇まいの店舗は、和菓子販売だけではなく、喫茶スペースが大きく、そばやうどんなどの軽食と甘味の両方を提供している。時間帯を問わずに終日賑わっている。

MAP

〒389-0102長野県北佐久郡軽井沢町大字軽井沢691-4
電話番号:0267-42-2860
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