中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「まめ板」
新橋屋飴店・長野県松本市

February 05. 2025(Wed.)

ピーナッツが入った飴は
郷愁を誘う懐かしい味わい

飴の聖地といわれている長野県松本市で、新橋屋飴店は、山屋御飴所・飯田屋飴店と並び、飴菓子の御三家のひとつに数えられています。

一番人気の商品は「まめ板」。名前の通り、板状の飴にピーナッツがふんだんに入った昔懐かしい飴です。創業当時からほぼ変わっていないという生産工程は、季節はもちろん、温度や湿度などによって微妙に加熱時間や手際が変わってくるため、秒を争う繊細な作業ばかり。

飴は、穀物などに含まれるでんぷんを糖化させたもののこと。日本書紀にも“飴”と思われるものが登場していることからもわかるように、日本人の記憶に刻まれた「甘味」の原点ともいえる存在です。
飴菓子「まめ板」は、昔から今に製法がそのまま受け継がれていると聞くと、和菓子のルーツのようにも思えてきます。

まめ板のつくり方は、まず加熱した飴にピーナッツを加え、ひとりの職人が焦げないようにかき混ぜます。そして、ちょうど良いかたさ加減になったところでとうもろこし粉を敷いた作業台に一気に流します。そこから複数人で一斉に粉をまんべんなくかけ、平らに伸ばし、飴がやわらかいうちに四角形に切り出していきます。
この間、わずか10分程度。誰も一言も発せず、職人たちの手によって、小さな宝物のような四角形の飴が次々とつくられていく様子は、神々しさを感じるほどです。

米飴を煮詰めてピーナッツを加え、ちょうど良い
かたさになるまで焦げないようにかき混ぜる。
粉が均等に広げられた作業台に、
できたての飴が長方形に流される。
飴が熱いうちに粉を一斉にかけていく。
綿棒で飴の厚さを均等に平らに伸ばしていく。
飴がまだ熱くやわらかいうちに、
専用の道具で四角形に切り出していく。

店舗情報

新橋屋飴店
JR松本駅から北へ、信州の美しい山の稜線を横目に車を走らせること約10分。昔ながらの商家の造りの店舗が見えてくる。店内には、甘い香りが漂っており、創業当時からほぼ製法が変わらない飴が何種類も並んでいる。

Instagram
https://www.instagram.com/shinbashi_ame/

MAP

〒390-0865長野県松本市新橋3-21
電話番号:0263-32-1029
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