中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

上田で最も歴史がある和菓子屋
玉喜屋 (たまきや)・長野県上田市

October 09. 2024(Wed.)

新しい感性の商品にも
積極的に挑戦

玉喜屋の創業は明治時代になって間もない1869年。上田市内の和菓子屋としては、もっとも歴史が古い老舗で、創業当時から現在まで同じ場所で商いを営んできました。
初代の小林喜太郎は武士でしたが、明治の廃藩置県により何か商売ができるようにならなければ、と京都へ和菓子の修行に出ます。そして上田に戻って、後に2代目となる玉次郎とともに和菓子屋を開店。2人の名前の漢字を1字ずつとって、玉喜屋と名付けました。

現在の店主である小林亮さんは5代目で、小学校2年生の文集には「美味しいお菓子をつくるお菓子屋になりたい」と書いていたといいます。
「自然に和菓子屋を継ぐものだと思っていました。私が若い頃は和菓子より洋菓子ブームでしたから、今のままではダメだな、新しい感性を取り入れていかないといけないなという危機感がありました。団子は昔から当店の人気商品でしたから、そこにくるみだれという新しさで勝負をしたところ、おかげさまで今では一番の売れ筋となりました」
さらに、洋風の素材にもチャレンジしているという小林さん。歴史を継ぎながらも、新しい可能性へ果敢に挑んでいます。

店に飾られている写真。店主の
曽祖父母(2代目)が写っている。
こちらも店に置かれている家宝の“砲弾”。
初代と2代が千曲川で拾ってきたもの。
店主の小林さんご夫妻。
気さくにお菓子のことを教えてくださる。
歴史と実績を感じさせる賞状が店内にずらり!

【店舗おすすめ】「白玉プリン」

和菓子のアプローチで洋菓子をつくってみようと、約30年前に店主・小林さんが考案したものが、今では定番の人気商品になっている「白玉プリン」です。

プリンは、牛乳にバニラの風味を加え、白玉粉・葛粉・寒天を使ってプルプル・もちもち・つるんの食感をすべて詰め込んでいます。上には大納言小豆の蜜煮とカラメル寒天を。卵やゼラチンを使わずに、加熱しながら練って固めて冷やすという和菓子の製法でつくられたプリンなのです。

あんこがちょっと苦手という方にも和菓子の美味しさを伝えたい、という思いが込められたこの商品。発売当初は夏限定でしたが、一年中食べたい!というお客さまの声が多かったことから、現在は通年商品として販売しています。

つるんぷるんとした食感が特徴的。
こちらも定番人気商品の「奏龍(なきりゅう)」。
上田の蕎麦粉と味噌が入った焼き菓子。
どら焼きも人気で、くるみ、
あんバター、小豆などがある。

店舗情報

玉喜屋 (たまきや)
上田駅から北へ徒歩約15分の位置にある玉喜屋。平日は地元客がひっきりなしに訪れ、週末や春先の行楽シーズンには団子を求めて観光客が次々と来店するのだとか。ほかにも信州らしい産物を使ったお菓子が多く並び、それらをゆっくりと選びながら買い物をするのも楽しい。

MAP

長野県上田市中央3-8-19
電話番号:0268-22-3751
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