高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介
「団子」
玉喜屋 (たまきや)・長野県上田市
October 02. 2024(Wed.)
幅広い層に人気の看板お菓子
くるみだれが一番人気!
「団子」は、玉喜屋の一番人気で、お店の代名詞のような存在です。生地は弾力があってやわらかいのに、驚くほどの歯切れの良さ。
「団子を買っていったお客さまが、車の中で食べたら美味しくて衝撃を受けた! といって、5分後にもう一度来店されて買い足していった人がいました」と笑いながら説明してくださったのは、当代店主の小林亮さん。
自慢の餅生地は、臼と杵でしっかりとついて1時間ほど蒸し、冷ましてから串刺しに。さらに焼いていきます。
その焼き加減にもこだわりあり。よく焼いたものはタレがからみやすいのでみたらしに。焼きが浅いものは、くるみだれ、ごまだれ、海苔巻きなどに。あんこは、舌触りをなめらかにしたいので、焼かないでそのままあんこをまとわせます。こうして団子の種類によって焼き方を変えているのです。
“一番お手頃な商品にこそ、一番手をかける”という信念のもと、労を惜しまずつくられているのが団子なのです。
店頭には常に6種類前後の団子が並びますが、もっとも人気が高いのは「くるみだれ」。くるみ・醤油・砂糖・水・でん粉のシンプルな材料で、分量の約半分はくるみという濃厚さ。
「くるみだれは、私が中学生の時につくりたいと言い出して、父と一緒に研究して完成させました。その分、思い入れもありますし、たくさんのお客さまに気に入ってもらえてとても嬉しい限りです。最近ではSNSを見て遠方からわざわざ買いにいらっしゃるお客さまが増えました」と小林さん。
子どもがおこづかいで買える値段のものを、丁寧につくって喜んでもらいたい、という願いが込められた玉喜屋の団子は世代を超えて、地域も超えて、愛されているのです。
店舗情報
- 玉喜屋 (たまきや)
- 上田駅から北へ徒歩約15分の位置にある玉喜屋。平日は地元客がひっきりなしに訪れ、週末や春先の行楽シーズンには団子を求めて観光客が次々と来店するのだとか。ほかにも信州らしい産物を使ったお菓子が多く並び、それらをゆっくりと選びながら買い物をするのも楽しい。