
高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介
静岡から諏訪へ
3代守る和菓子づくりの心
福田屋本店・長野県下諏訪町
September 10. 2026(Thu.)
ルーツは静岡
毎朝心を込めて餅をつく
「御柱街道(おんばしらかいどう)」と並ぶ、福田屋本店を代表する銘菓が「信州あべ川餅」。あべ川餅といえば名前の通り、静岡県内でよくつくられている地域のお菓子ですが、「なぜ信州にあべ川餅があるのだろう」と疑問に思った方も多いでしょう。それは福田屋本店のルーツに答えがありました。
現在のご主人・佐野充敬(みつのり)さんは3代目。創業者である祖父は静岡県の出身でした。祖父は諏訪にあった福田屋という和菓子店で修行をしていましたが、その和菓子店が廃業することになり、暖簾分けの形で「福田屋」の名前を引き継いで、独立したのだそうです。それが1918年のことでした。
100年の時を経ても、初代から続く和菓子づくりのマインドは変わることなく、つきたての餅にこだわり、毎朝もち米を蒸し、手作業でついて、ひとつひとつ仕上げています。ほかにも、諏訪塩羊羹や塩もなか、フルーツを使った生クリーム大福、わらび餅など人気商品がずらり。そして秋の栗、春の山菜、夏の枝豆など季節ごとのおこわが店頭に並びます。誕生餅やお祝いの赤飯なども注文で受けており、まさに地域の人々の人生に寄り添う和菓子をつくり続けているのです。


和菓子が。福田屋本店の和菓子を見つけるのが楽しい。


(収納家具)についている“おかめ”を
先代が譲り受けて店頭に飾ったのだとか。


ご主人の佐野充敬(みつのり)さん。


寿の文字が書かれている。
【店舗おすすめ】「信州あべ川餅」
福田屋の代表銘菓「信州あべ川餅」は、静岡出身の創業者にまつわるもの。
「静岡では、かつて家庭ごとにあべ川餅をつくっており、あんこときな粉を使った餅の総称だったそうです。福田屋の名前を引き継いだ祖父の故郷への想いを汲み、2代目である父が、青大豆のきな粉『青ばたきな粉』でつくるあべ川餅を考案しました」とご主人の佐野さんが話してくれました。
当時の諏訪では、青大豆がよく採れたのだそうで、風味豊かな青ばたきな粉にきび砂糖を加えて、あべ川餅をつくることにしたのだとか。つきたての餅にたっぷりのきな粉がまぶされたあべ川餅が、郷愁を誘う味わいで、店のルーツを感じさせてくれます。


ふわふわ感が手に伝わってくる。




店舗情報


- 福田屋本店
- 中山道と甲州街道が交わる宿場町・下諏訪宿に店を構える。多くの人に親しまれる銘菓「信州あべ川餅」をはじめ、季節の和菓子や生クリーム大福なども人気が高く、中山道散策や諏訪大社参拝の際に立ち寄りたい一軒だ。









