
高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介
400年の伝統を受け継ぎ
和菓子の新たな可能性を拓く
御菓子処 桔梗屋織居・三重県伊賀市
September 29. 2026(Tue.)
時代や需要に合わせ
新機軸を開発
「桔梗屋織居」の創業は1607年。長い歴史を持つ老舗として全国的にも知られています。元々は藤堂高虎氏が伊賀上野に築城した折に、この地で和菓子店を営むように命じられて暖簾を掲げたのがはじまり。以来、400有余年にわたり、地域に根差した和菓子をつくり続けています。昭和に入り、戦後の食糧難の際には、砂糖が入手できず苦労をしたそうですが、初代から伝わる和菓子づくりの精神を引き継ぎ、老舗和菓子店としての役割を果たしてきた、と18代目・中村伊英さんが話してくれました。
「伊賀藩専属の和菓子屋として美味しい和菓子をつくることが使命であった時代から、茶の湯文化に支えられた時期を経て、今も時代に合わせて変化していかなければいけないというプレッシャーはあります。フロンティア精神で、新しい可能性を模索していこうと思い、開発した商品もあります」と中村さん。
そのひとつが「おかゆ大福」です。嚥下(食べ物を口の中で噛み、飲み込みやすい大きさに変えて飲み込むこと)が難しい方でも安心して食べられるように、口の中でほどけるようなやわらかさでつくられています。このお菓子は、親族が餅を喉につまらせた悲しい事故をきっかけに、10年ほどの試行錯誤を経て開発されたものなのだとか。
長い歴史の中で培われてきた技と、新たな挑戦への思い。その両方が詰まった和菓子づくりに触れることができました。


食べられる「おかゆ大福」。口に入れた瞬間に、
なめらかに溶けるようにほどけていく。






楽しめる喫茶室がある。
【店舗おすすめ】「伊賀焼土鍋栗カステラ」
「お座敷モンブラン」と同様に、こちらも「いがぐりプロジェクト」のひとつ、伊賀栗を使ったカステラです。
伊賀は焼き物の産地としても有名で、特に土鍋をつくるのに適した粘土質の土壌で知られています。せっかくなら地域の伝統工芸・伊賀焼の魅力をそのままアピールできるよう、土鍋でつくる和菓子に挑戦したい!と思い立ったのが「伊賀焼土鍋栗カステラ」でした。
「江戸時代に食べられていたカステラは土鍋で焼いていました。それを再現したいと考えたのです。土鍋の中で蒸気が循環し、生地はたっぷりの水分を含んでふくらみます」と中村さん。カステラの生地を土鍋に入れてガス火で焼き上げるのですが、遠赤外線と水蒸気を逃さないという土鍋の特徴により、カステラ生地がきめ細かくしっとりと仕上がっています。






店舗情報


- 御菓子処 桔梗屋織居(ききょうやおりい)
- 慶長年間創業。伊賀上野の城下町で、400年以上の歴史を誇る老舗和菓子店。伊賀の歴史や文化、風土を映した菓子づくりを続けている。伊賀上野を観光する時にはぜひ訪れたい。
Instagram
https://www.instagram.com/izaemon18/








