むすぶひと、つなぐひと

中部地域の注目パーソンにインタビュー!

「手みやげ」に宿る
コミュニケーションを生む力
雑貨コーディネーター
オモムロニ。さん
(3/3)

August 28. 2026(Fri.)

文具や日用雑貨、おみやげにグッズ。人が見過ごしてしまう「ちょっといいモノ」を、誰よりも早く見つけて、雑誌やSNSなどで発信している、雑貨コーディネーター・オモムロニ。さん。 
モノ選びのプロは、「ギフト選び」でもさまざまな媒体で引っ張りだこ。最終回となる今回は、「手みやげ」をテーマに、オモムロニ。さんの流儀と、中部地域でオススメの手みやげについて伺った。

2026年8月発行の冊子『交流Style Magazine』でも、オモムロニ。さんのコメントを掲載! ぜひ合わせてご覧ください。

ー前回までの記事はこちら
気になるモノ、面白いモノ 見つけてみんなに伝えたい 雑貨コーディネーターオモムロニ。さん(1/3)
”ひとひねり”が愛おしい「いいモノ」の選び方 雑貨コーディネーターオモムロニ。さん(2/3)

言葉にできない気持ちも
モノがそっと伝えてくれる

──著書『DAILY GIFT BOOK 気持ちが伝わる贈りものアイデア』で、ギフトを介したコミュニケーションについて語っていらっしゃるオモムロニ。さん。あらためて「手みやげ」についてのお考えをお聞かせください。

「手みやげ」は、そのモノをきっかけにして会話ができるなど、コミュニケーションを生む力があると思います。品物自体が関係を良くしてくれるわけではなくて、モノを介して話が弾み、モノに込めた想いが伝わることで、より親しい関係になったり、お詫びの品なら関係が改善されたり。今よりもポジティブな関係になるための手助けをしてくれると思っています。「ありがとう」も「ごめんね」も、 きちんと言葉にしたいけど、少し照れくさい時がありますよね。そういうとき、モノの力を借りて気持ちを伝える。私自身、元々はそんなにコミュニケーション能力が高い方ではないですが、ずいぶん助けられてきました。

『DAILY GIFT BOOK 気持ちが伝わる贈りものアイデア』(文藝春秋)

手みやげが自己紹介がわりに
地元に「テッパン」をつくる

──手みやげを選ぶ基準や、印象に残っているエピソードはありますか。

選ぶ基準は、贈る相手との話が弾みそうなものを意識しています。かわいいものが好きな人にはとびきり映えるもの、親しい間柄ならちょっとシャレの効いたもの。
だけど、初対面など相手のことが分からない場合は、自己紹介になるような、自分にゆかりのある地域(住んでいるまちや地元)の銘菓や人気店の味を持っていくことも多いです。
そこから、「◯◯に住んでるの?」「私も地元が同じで」など意外な共通点が見つかったり、思いがけず打ち解けて、その後の商談や会議がしやすくなった、という経験が何度もあります。
地元のローカルなモノなんて喜ばれるかな?と心配になるかもしれませんが、むしろそれが良い場合もけっこうあるんです。グルメで知識豊富な方への手みやげをどうしようか悩んだ時、地元の人気店のどら焼きを持っていったんです。すると「最新の人気なモノよりも、自分のアンテナが届かないこういった地元に愛される味を知れたのが嬉しい!」と喜んでくれました。
地元の人には当たり前の銘菓でも、一歩外に出ると「へ~、こんな美味しいものが」と話が広がります。

──実際に愛用されている手みやげも見せていただけますか。

現在の住まいは神奈川県横浜市なので、同県内に店舗のある洋菓子店「パティスリー・ストラスブール」のドーナツを。個包装されたドーナツがおしゃれなBOXにはいっているので、「皆さんでお好きな時に」とお渡しできます。

「パティスリー ストラスブール」の「リング&
リング」。ほかにもリーフパイやバウムクーヘン
などが。どれもパッケージがスタイリッシュ。
https://stras.jp/

また、もう少しきちんとした場面では、横浜のホテルニューグランドが2024年に立ち上げたブランド、「S.Weil by HOTEL NEW GRAND」を選ぶことも。箱や缶のデザインがクラシカルで素敵、価格も比較的リーズナブル。ホテルメイドだと、目上の方にお渡しするときも安心感があります。手みやげは必要以上に仰々しく包装すると、贈答品のようになって相手が恐縮してしまうことも。なので、あえてそのまま紙袋で持参できる素敵なパッケージデザインのモノを選ぶようにしています。
このホテルは横浜を代表する憧れのクラシックホテルなので好きな方も多いですし、話が弾みます。本店のほか横浜駅の高島屋にも入っているので、買いやすいのもうれしいですね。

「S.Weil by HOTEL NEW GRAND」の
「コーヒーフィナンシェ」。
素敵なイラストはもちろん
ホテルメイドの味わいも抜群。
https://www.hotel-newgrand.co.jp/s_weil/

オモムロニ。さん推薦
「中部の手みやげ」

──オモムロニ。さんと中部地域との縁について教えてください。

茶道を習い始めて約18年になるのですが、実は初めて人前でお点前を披露させていただいたのが、犬山城の麓にある国宝の茶室「如庵」でした。のちにそれがどれだけ贅沢なことだったかを知り、震えました(笑)。今思えば、あれが私にとっての中部地域との最初のご縁でした。

──お茶を通じて、中部地域ゆかりの品との出会いがあったとか。

そうなんです。先生や社中のみなさんが持ち寄るお茶菓子に、中部地域の銘菓が多くて。ある日、先生が「こういうの好きでしょ」と持ってきてくださったのが、岐阜県の「下剋上鮎」。岐阜県の長良川では「鵜飼」という伝統漁法が有名ですが、本来は鵜が鮎を飲み込むところを、鮎が鵜を呑み込んじゃう逆転の発想が本当に面白くて。気になったら深堀りして調べるクセがあるのですが、なんと中日ドラゴンズ版の「下剋上竜」まであると知って、また盛り上がりました。名古屋市・覚王山のえいこく屋さんのフルーツティーは名古屋に住む友人から“地元のかわいいモノ”として教えてもらい、以来名古屋に行ったときは自分用に購入しています。

──ではあらためて、手みやげとして贈られるなどして、印象に残っている中部地域の品を教えていただけますでしょうか。

はい。先ほどの岐阜県の「下剋上鮎」と名古屋市の「フルーツティー」のほかに、三重・静岡・長野の各県でもピックアップしてみました(下に記載)。
これまで、中部地域に限定して手みやげ品を選ぶ、という経験はなかったので、とても新鮮な気持ちで選ぶことができました。 過去、仕事でセレクトしてきた個性的なビジュアルや美味しいと評判の手みやげフードも「実は中部地域のものだったんだ」と発見がありました。日常で使えて、渡すと会話が生まれるモノ。それって私の手みやげの基準そのものなんですけど、中部にはそういうモノがちゃんとあると感じます。

──それは気になりますね。ぜひ、「中部地域」視点で紹介してほしいです!

その地域ならではの雑貨や手みやげを探して旅をするのも面白そうですね。
何を選べばいいか悩んだら、ご近所に目を向けてみてもよいかもしれません。みなさんもぜひ、地元の「テッパン」を見つけて、自分なりの手みやげ選びを楽しんでくださいね。

【愛知県名古屋市】
「フルーツティー5点セット」(えいこく屋)
https://www.eikokuya-tea.co.jp/
「名古屋・覚王山、日泰寺の参道に本店を構える
紅茶専門店の一品。国産ドライフルーツと紅茶を
合わせたフルーツティーは、いちごやりんご、
キウイなど種類豊富で、色柄で選ぶ時間まで
楽しいですよ」
【岐阜県岐阜市】
「下剋上鮎」(玉井屋本舗)
https://tamaiya-honpo.co/
「岐阜市の老舗和菓子店がつくる鮎菓子。鮎が鵜を
呑み込む、逆転の発想がユーモラス。渡した瞬間に
「なにこれ!」と笑いが起きて、そのまま岐阜の話で
盛り上がれる一尾です」
【三重県桑名市】
「MISO de PORC & もうすぐ食べれるわ」(瑞宝志ぐれ)
https://zuihou490.com/
「栄養士がつくる無添加の肉味噌『MISO de
PORC』(いなべ産豚・鈴鹿産味噌)と、
あおさ海苔やひじきを炊いた人気の海苔佃煮
『もうすぐ食べれるわ』の2本入り。パッケージが
かわいらしいうえに忙しい朝やお弁当を助けて
くれる実用派です」
【静岡県静岡市】
「THE YOKAN【珈琲】」(IFNi ROASTING & CO)
https://www.ifni-roastingandco.com/
「静岡のコーヒーメーカーがつくる珈琲羊羹。
デカフェ豆を餡に練り込んだ一口サイズが
6個入りで、包み紙は人間国宝・芹沢銈介の技を
継ぐ高井隆宏氏による型染め。珈琲占いのカードも
添えられていて、渡すときの"ひとひねり"が効いてます」
【長野県松本市】
「雪どけりんごパイ」(POMGE cidre & bonbon)
https://www.instagram.com/pomge_cidre_bonbon/
「信州のリンゴとシードルをテーマにした、
長野・松本のお菓子ブランド。雪どけりんごパイは、
信州リンゴのプレザーブをたっぷり詰め、サクサク
のパイ生地と合わせた品。同じブランドの
シードルを添えれば、ちょっとしたペアリングの
提案にもなります」

プロフィール

オモムロニ。
雑貨コーディネーター。日用品、文具、インテリア、贈り物などを幅広く取材・セレクトし、その魅力を発信している。機能性やデザインだけでなく、思わずクスッと笑ってしまうモノや、愛嬌のあるアイテム選びが得意。現在、雑誌『&Premium』にて連載中。 著書に『DAILY GIFT BOOK 気持ちが伝わる贈りものアイデア』(文藝春秋)がある。
https://www.instagram.com/omomuroni/
交流Style Magazine「思いを包む、中部の手みやげ」特集号では、雑貨コーディネーター・オモムロニ。さんのコメントを掲載! ぜひ合わせてご覧ください。
「交流Stye Magazine」2026夏・秋号

MAP

https://www.chuden.co.jp/resource/corporate/report/koryu/catalog_06_koryu_2026summer.pdf
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