
高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介
つないだ明治創業の暖簾
焼津の愛され和菓子店
御菓子處 油屋・静岡県焼津市
October 16. 2026(Fri.)
歴史のバトンを受け取り
暖簾を守り続ける
創業は1885年。江戸期には油を扱う商売をし、明治になってから和菓子屋として暖簾を掲げました。元々は、現在の店舗から少し離れた場所に店舗があったそうですが、区画整理とともに旧小川村(こがわむら)の役場だった場所が「油屋」として生まれ変わったそうです。
その歴史を受け継いだ6代目店主が、神奈川県出身の大西美那子さん。「油屋」は大西さんの母の実家にあたり、子どもの頃は夏休みや春休みなどに長期滞在し、和菓子の袋詰めなどの手伝いをしていたのだとか。
大人になり、大西さんは生まれ育った横浜に住まい、仕事もしていました。ところが後年、店を継いでいた従姉妹が病を患い、油屋の営業をあきらめざるをえない状況に陥ります。焼津で長く愛されてきた和菓子屋を本当に閉店させてよいのか、親戚が集まって話し合いが重ねられました。そして大西さんに白羽の矢が立ったのです。お店にも焼津にも、深い愛着を持っていた大西さんは、「油屋」を継ぐ決心をします。
それから、週末は焼津でお菓子づくりの修業に励みました。毎週金曜、仕事終わりに新横浜から最終新幹線に飛び乗って焼津に向かい、従姉妹から和菓子づくりを教わること半年。店の暖簾は大西さんに渡されました。
「長く通ってくださっているお客さまの方が、油屋については先輩なので(笑)、今でもお客さまに教えてもらっていますよ。子どもの頃に手伝いをしていて楽しかった思い出がありますが、今思うとそこから運命は始まっていたのかも」と大西さんは話します。


新しいマークとしてデザインした。


「田舎まんじゅう」「利休まんじゅう」。


6代目店主の大西美那子さん。


ずらりと並ぶ圧巻の光景。


【店舗おすすめ】「どら焼き みそあん」
白インゲン豆の白あんと白みそを混ぜてつくる「油屋」の「みそあん」。白あんと白みそのブレンド具合が抜群で、上品かつなめらかな舌ざわりがとても印象的。つぶあんのどら焼きとともに、人気の高い商品なのだそうです。
「このお菓子ができたきっかけは、柏餅のみそあんが好きだというお客さまから『柏餅の季節以外にもみそあんを食べたい』とご要望いただいたことから。それなら、どら焼きでできるのではと思いつきました」と大西さん。
確かに、白みそあんを使ったどら焼きは、ほかではあまり見ません。油屋を引き継いだ大西さんが、お客さまのご希望を新商品として叶えた記念の和菓子となりました。




秋には鹿の焼き印になる予定。


イラストシールを貼る。
店舗情報


- 御菓子處 油屋
- 幹線道路沿いに佇む店舗は、歴史を感じさせる趣のある雰囲気。仕込みのための休業期間を隔週で設けているので、営業日はチェックして出掛けたい。







