中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「枝豆ぶんたこ」
明や・愛知県一宮市

June 21. 2023(Wed.)

どこまでも素朴な
「枝豆ぶんたこ」は、
おやつにぴったり!

「枝豆ぶんたこ」と聞いて、どんなお菓子なのか想像がつく方は、きっと尾張地方の言葉に詳しい方でしょう。5月中旬〜8月中旬の枝豆が市場に出回る季節に、明やの店頭に並ぶ商品で、毎年楽しみにしているお客さまからは「そろそろ発売になる?」と問い合わせがあるのだそうです。
「ぶんたこ」とは、田植えの時期に食べるまんじゅうのことを言ったそうで、愛知県西部の尾張地方から岐阜にかけての言葉なのだとか。田植えで忙しいお百姓さんが、田んぼの脇でちょっと一休みをする時のお茶請けにでもしたのでしょうか。
淡い生成色の生地を割ると、中からは枝豆のあんが出てきます。白あんと混ぜ合わせて作られたあんの色合いは、新緑の季節感そのもの。味わいは、お菓子とパンの間のような、なんとも郷愁を誘うものでした。今回お話を伺った2代目の伊藤基児さんにそう伝えると「そうなんです。言葉でどう説明してもうまく伝わらない。食べてみないとこの美味しさはわからないのかもしれません。でも一度でも食べたことがある人ならきっと“素朴なお菓子、懐かしいお菓子”という感覚がわかってもらえるはず」と答えてくれました。
あえてこの味わいを説明するとしたら、“昔おばあちゃんが作ってくれた蒸しまんじゅう”といったところでしょうか。「小腹がすいた時のおやつにぴったり」と伊藤さんは話します。食べる1時間前に冷蔵庫で冷やすと味がキリッと引き締まり、常温とはまた違った美味しさを楽しめるそうです。

薄力粉・砂糖・塩にお湯を加えて混ぜていく。
お湯の温度がポイント。
粘り気が出ないようにまとめていく。
まとめた生地を棒状にして、
1個分ずつ切り分けていく。
枝豆のあんを生地でくるんで成形する。
蒸し器に入れて15分ほど蒸す。
蒸しあがって粗熱がとれたら、
笹の葉でくるんで完成。

店舗情報

明や(あけや)
一宮市の西部、閑静な住宅街の一角にある和菓子店。地元の常連客がひっきりなしに訪れて、店内はいつも賑わっている。人気の「わらび餅」はもちろん、「枝豆ぶんたこ」などの季節商品は、まとまった数の注文の場合は事前に電話予約を入れておいた方が無難だ。喫茶コーナーもあり、店内でしか味わえない商品もあるので、ぜひ利用したい。

MAP

〒494-0007愛知県一宮市小信中島東鵯平10
電話番号:0586-62-5141
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