中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

「亀乃尾(かめのお)」
瑞宝軒・三重県亀山市

May 08. 2024(Wed.)

江戸時代から変わらぬ製法
亀山の銘菓として知られる
和菓子

「亀乃尾」は、ひとくちでいただけるサイズの真っ白で小さな菓子。求肥(ぎゅうひ)の餅生地に、こしあんの練りあんが包まれています。
江戸末期より伝わる菓子で、創業当時からほとんど製法は変わっていないといいます。

三重県は伊勢神宮があり、旅人が多く行き交うことから、参拝者をもてなす餅菓子が数多く存在しています。「亀乃尾」という名称は、亀が長寿のシンボルであり、縁起が良いことから名付けられたのだとか。

実はこの餅菓子、両端がつままれて、やや尖ったように見え、亀甲の形になっているのです。亀甲は日本の伝統文様の中でもよく知られる吉祥の文様。なんとおめでたい形なのでしょうか。

そして面白いのは、瑞宝軒で販売されている和菓子は、この「亀乃尾」だけなのです。ほかは、バウムクーヘンを中心に洋菓子がほとんど。
つまり瑞宝軒では和菓子の「亀乃尾」と洋菓子の両方が購入できるのです。
使いやすさもあってか、地元・亀山の人々にとって、「亀乃尾」は誰もが知る地域を代表する銘菓であり、懐かしいお菓子なのだそうです。

店内の喫茶コーナーでいただける「亀乃尾」と
ほうじ茶のセットが人気。
パッケージにも使われている亀の
“尾”のイラストが、店内の装飾にも。
2個入り、4個入り、8個入りとバリエーションが
あるので、用途に合わせて購入しやすい。
求肥餅がよくのびて美味しそう!
もちもちの生地の感じがよくわかる。

店舗情報

瑞宝軒(ずいほうけん)
亀山駅周辺の整備に伴い、2021年11月に新装オープンした菓子店。店内には、かつての店でも飾られていた道具や、亀・龍といった菓子のモチーフが掛けられており、歴史を感じさせる。江戸末期の創業以来、亀山の地に根ざした菓子づくりと店づくりが、地域の人々に愛され続けているだけあり、店内はいつも賑わっている。

MAP

〒519-0155三重県亀山市御幸町231-54
電話番号:0595-82-3331
上部へ戻る