「お城最中」
御菓子司 藤屋・長野県松本市

長野県松本市といえば、国宝・松本城の漆黒で勇壮な姿を思い浮かべる人が多いでしょう。地元の人々にとっても、やはり松本城は誇りに思う存在です。
名だたる工芸品や和菓子などの伝統文化が発展したのも、城下町の武家文化があったからこそ。藤屋の「お城最中」はそんな松本城への思いが結実したものなのかもしれません。

現存している城では最古の五重六階の天守をかたどった最中皮に粒あんが挟まれています。最中皮は、良質な国産米で丁寧に焼かれたもので、粒あんは、この最中のためだけに炊かれている自家製あん。最中皮に合うように水分量が調整され、甘さ控えめで塩味がエッセンスとして効いています。
粒あんの製法は創業当時からほぼ変わらず、丁寧に最中皮に手詰めされているとのこと。粒あんがしっかり詰められていて食べ応えがあるところも、あんこ好きにとっては嬉しいポイントです。

昔からの銘菓で知られているお城最中ですが、最近では20代を中心に再び広く知られるようになってきました。どうやらお城好きの人たちの間でじわじわと人気が知れ渡るようになり、和菓子好きだけでなく、歴史好きの層からも注目されているようです。
「松本駅で購入して美味しかったから取り寄せしたい」「お城好きなので天守の形の最中を食べてみたい」などの声があり、地方発送することが増えているのだそうです。