中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

昭和初期から続く
銘菓揃いの和菓子処
御菓子司 藤屋・長野県松本市

June 19. 2024(Wed.)

松本駅前の賑わいの中
3代にわたり技を紡ぐ

創業は1934年。3代目である現在のご主人・藤原崇光さんの祖父が和菓子屋「藤屋」をはじめました。
店名は、苗字の藤原から名付けられたもの。第二次世界大戦のさなかには、小豆が入手できずにほかの商売をしたこともありましたが、終戦後に世の中が落ち着いてくると、和菓子屋を復活。松本駅前に構えた店舗では、商用で松本を訪れる人や観光客、地元の常連まで、あらゆる層のお客さまから愛されてきました。その駅前の本店は、2代目のご主人が亡くなった時に閉店し、現在は松本駅近くにあるアルピコプラザに入る店舗のみ。アルピコプラザにはバスターミナルがあるということもあり、人の往来が多く、賑わいのある雰囲気が、かつての駅前本店のよう。
祖父が創業し、父が継いだ和菓子屋を、3代目がしっかりと現代へと受け継ぎ、信州・松本を代表する銘菓をつくり続けています。
手土産の和菓子だけでなく、生菓子やおやきといった商品まで網羅してラインアップされているところは、さすが和菓子処・松本。そして3代にわたって受け継がれた和菓子の技があってこそといえるでしょう。

手土産にぴったりの焼き菓子や
まんじゅう系がずらりと並ぶ。
信州らしく、いろいろな種類のおやきが
毎日並んでおり、こちらも定番の人気商品。
取材で訪れた時の生菓子のコーナーには、
春の季節の桜餅や草餅をはじめ、浮島、
大福、どら焼きなどが並ぶ。
掛け紙にも、漆黒の松本城が描かれている。

【店舗おすすめ】
「くるみ餅」

長野県といえば、くるみの生産量が日本一。「くるみ餅」は、そのクルミをふんだんに使った餅で、大きくカットしたクルミのザクザクした食感とやわらかい餅のコントラストが一体となっています。
餅生地は白玉粉が用いられており、独特のふわふわとモチモチが印象的。
さらに生地には隠し味で醤油が使われており、それが深みのあるコクとなっていることに加え、どこか郷愁を誘う懐かしさをも感じさせています。
このほか、信州らしいお菓子は、蕎麦饅頭や蕎麦月餅などがあり、いずれにも信州・松本愛がたっぷりと込められています。

昭和レトロなパッケージが
かわいいと評判に。
ちょうど手のひらにおさまるサイズ。
小腹がすいた時にぴったりの大きさ。
紙袋には、銘菓「お城最中」と
「くるみ餅」の名前が入っている。

店舗情報

御菓子司 藤屋
松本駅にある商業ビルでバスターミナルでもある「アルピコプラザ」の一角に店舗を構える。昔からの常連客が立ち寄ったり、バス利用の人がふらりとのぞいたりと、駅前の賑わいのある通りならではの雰囲気。気になる和菓子があれば、すぐ隣にある休憩コーナーで飲食することもできる。

MAP

〒390-0815長野県松本市深志1丁目2-30 アルピコプラザ地下1階
電話番号:0263-88-8099
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