中部和菓子図鑑

高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介

江戸時代初期から続く
名古屋ういろの元祖
餅文總本店
(もちぶんそうほんてん)
・名古屋市

July 10. 2024(Wed.)

ういろの可能性を拓く
名古屋和菓子文化の継承店

“ういろ”が、1964年の東海道新幹線開通にともなう土産品として名古屋名物になったのは有名なエピソードです。でも名古屋ではずっと前から、ういろがつくられ続けてきました。そしてそのルーツを持つのが、ここ、餅文總本店です。

江戸時代初期に中国から日本にやってきた文人・陳元贇(ちんげんぴん)は、尾張藩二代藩主・徳川光友の知恵袋として召し抱えられます。陳元贇が、藩の御用商人であった餅屋文蔵にういろの製法を伝えたのは1659年のこと。現在の餅文總本店の創業年は、この年となっており、ういろ専門の和菓子屋としては、名古屋でもっとも長い歴史を持ち、名古屋の和菓子文化を360年以上に渡って支え続けてきた店なのです。

今もういろのお店としての矜恃を保ち、年間を通じてあらゆるういろ商品を製造・販売しています。今までに200種類以上のういろをつくり、季節商品は合計40種類以上、そして店頭には常時20種類以上のういろが並んでいます。
棹状のういろだけではなく、ひとくちサイズも提供することで個食時代に対応。次の世代へも確実にバトンを渡しています。

「ひとくち生ういろ」は、定番の人気商品。
定番から季節ものまで、
茶巾絞りの可愛らしい形のういろが並ぶ。
棹状のういろも、地元のお客さまに
愛され続けているロングセラー商品。
生菓子も毎日並ぶ。
和菓子屋としての底力を感じる。

【店舗おすすめ】
「水ういろ」

「ラムネういろ」同様、夏の定番人気商品が、こちらの「水ういろ」。
夏のういろをつくるとしたら、水ようかんのような商品が良いのでは?という発想で開発されたのが、およそ30年ほど前のこと。
名前の通りにみずみずしく、まるで冷やしたこしあんをつるんと口に入れたような心地よさがあります。
こしあん味と抹茶味の2種類で、どちらも茶巾絞り。個包装になっているのでばらまきお菓子としても重宝します。
ガラスの器に盛ると、水ういろに光が入って透けて見えるようで、とても夏らしい涼菓となります。
駅でも販売されており、大人気商品です。

包装から直接食べてしまいたくなる、
ぷるんぷるんの食感。
水色のパッケージは涼やかな夏のおもむき。

店舗情報

餅文總本店
ういろ専門店としては名古屋でもっとも古い歴史を持つ。定番から季節商品まで常時20種類以上のういろが並ぶ。バラ買いすることができるので、今日のおやつに、と買い求める人も多い。南区の本店のほか名古屋市内に3店舗あり、名古屋駅などでも購入することができる。

MAP

〒457-0863愛知県名古屋市南区豊2−36−24
電話番号:052−691−5271
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