
高島屋の和菓子バイヤーが中部地域注目の和菓子をご紹介
「鶴の玉」
鶴の玉本舗 たつみ堂・三重県松阪市
July 02. 2025(Wed.)
生姜がアクセントの
軽やかな焼き菓子
「鶴の玉」と聞くと、真っ白なマシュマロのような菓子を想像してしまうかもしれません。しかし実際は、サクサクとしたクッキー生地が印象的な焼き菓子で、松阪市を代表する銘菓です。
すりごまが入った生地で白あんを包み、ふた口サイズの卵形に整えて焼きます。焼き上がりの表面を生姜のすり蜜でコーティングし、ひと晩乾かして完成。覆った生姜風味の蜜とクッキー生地の軽やかな食感がとても印象的です。
蜜に使用する生姜は、地元産の香りが豊かな金時(きんとき)生姜。栽培量が少ないため希少種と言われています。砂糖・水・生姜でつくった蜜を熱しながら温度を保ち、焼き上がった菓子にかけていきます。ポイントは、この蜜の薄さ。分厚くもなく、薄すぎることもなく、適度な薄さに仕上げるには熟練の技が必要です。
「鶴の玉」の商品名は、松坂城を築城した戦国の名将・蒲生氏郷公の幼名「鶴千代」から名付けられたとのこと。1912年の創業以来、地元で広く親しまれ、愛されています。

金時生姜の蜜。

ここから生姜の蜜をかける工程に入る。


2代目女将の高倉なみさん、92歳。
店舗情報

- 鶴の玉本舗 たつみ堂
- 松阪市中心街の一角にある、大正元年(1912年)創業の老舗。店内には生菓子や焼き菓子、手土産にぴったりの日持ちのする菓子などが所狭しと並ぶ。地元の常連が訪れては菓子の袋を手に店をあとにする様子に、この店が地域で愛され、まちの日常に和菓子があることが伝わってくる。
Instagram
https://www.instagram.com/tsurunotama_tatsumidou/
MAP
〒515-0081三重県松阪市本町2172
電話番号:0598-21-1337