毎月違った食材をテーマに人気料理家・ワタナベマキさん考案のレシピをご紹介
味噌を隠し味にした洋風メニュー
January 27. 2023(Fri.)
味噌を使うレシピというと、どうしても和食に限定されてしまいますよね。実際は中華料理にも使われますし、洋風メニューで隠し味にするのもアリです。今回は味噌を使った洋風アレンジメニューにチャレンジしました。
白味噌の冬ポトフ
「西京白みそ」を使った洋風鍋です。この「冬ポトフ」では、じっくり煮ることで野菜の旨みが出たら、「西京白みそ」を最後に加えます。味噌を使うと和食の印象にかたよるので、白味噌が主役にならないようにアクセントとして。ローリエとオリーブオイルの風味があるので印象としては洋風になるんですね。水の代わりにお好みで牛乳や豆乳で応用してみると、コクが出てまた違った味わいになりますよ!
材料(4人分)
- 西京白みそ
- 大さじ2
- 鶏もも肉(皮なし)
- 250g
- 玉ねぎ
- 1個
- にんじん
- 1本
- キャベツ
- 1/4個(250g)
- 大根
- 300g
- パセリみじん切り
- 少々
- ローリエ
- 1枚
- バター
- 10g
- 白ワイン
- 50ml
- 水
- 500ml
- 塩
- 小さじ2/3
- 薄力粉
- 大さじ1
- 粗挽き黒胡椒
- 少々
- オリーブオイル
- 大さじ1
- 鶏もも肉は食べやすい大きさに切る。玉ねぎは8等分のくし形に、にんじんは長さを3等分してから縦4等分に切る。キャベツは約4cm幅のくし切りにする。大根は皮を剥き、縦4等分に切る。
- 鶏もも肉に塩をなじませる。鍋にオリーブオイルを入れて中火で熱し、鶏もも肉、薄力粉を全て加えて、焦がさないように全体が白っぽく火が通るまで炒める。
- 玉ねぎを加えてサッと炒め、にんじん、キャベツ、大根を加えてひと混ぜする。
- 白ワイン、水、ローリエを加え、ひと煮立ちさせてアクをとり弱火にし、蓋をして約20分煮る。
- 白みそに煮汁を加えて溶き、鍋に加えてなじませる。煮立つ直前で火を止め、塩少々(分量外)、みじん切りにしたパセリをふって、最後にバターと粗挽き黒胡椒を加える。
白味噌を赤味噌の隠し味にする、という料理のヒント
ー前回のナカモ取材レポートはこちら
https://koryu.chuden.co.jp/monthly1
今回の取材でワタナベさんが一番驚いたのは、ナカモが中部地域で白味噌を作っているメーカーだったということ、そして名古屋めしの代表格として有名な味噌煮込みうどんに白味噌が隠し味で入っている、ということでした。
豆で作る赤味噌は、旨味が強いのでとがった味わいもあります。それが白味噌とブレンドすることで、とがった角をうまくとって、まろやかな味わいになるのだそうです。つまり、赤味噌に白味噌が寄り添うことで、中部地域の食文化が作り出されているということ。
「とても興味深いお話でした。そしてナカモさんのルーツは白味噌にあるとも聞いて、今回のレシピは、赤味噌と白味噌を両方使うもの、白味噌だけのもの、というように味噌に変化をつけたら面白いかなと思いました」とワタナベさん。
- ナカモ株式会社
- 名古屋城のすぐそばで麹屋として事業を始めたのは、1830年(天保元年)のこと。自社の麹を使って味噌を作るようになり、1931年(昭和6年)に現在の清須市西枇杷島町に豆味噌の生産工場を建設した。以来、愛知県および中部地域の味噌文化を支えるメーカーとして数多くの商品を生産。中でも「つけてみそ かけてみそ」は中部地域では絶大な支持を得ている。
- https://www.nakamo.co.jp/
取材時に、味噌を洋風に使うにはどうしたらいいか? といった質問があったことから、味噌を隠し味にしながら洋風メニューを作ってみよう、ということになりました。
白味噌が主役の調味料になるのではなく、隠し味に。ポイントは、白味噌の量と、そして他の味付けを何にするか、です。白味噌の量が多くなればお味噌汁になってしまいますから、あくまでも隠し味として、最後の少量を使っています。
味の決め手は、ローリエの香りとオリーブオイルによるコク、そして最後のバターです。御存じのように、乳製品(バター)と味噌の相性は抜群です。