中部地域の注目パーソンにインタビュー!
番外編
「おてつたび」を
日常の選択肢に
株式会社おてつたび
代表取締役CEO 永岡里菜さん(2/2)
February 14. 2023(Tue.)
「交流Style」の前身「交流」で過去にご紹介した方のその後に迫ります。
2020年9月にご登場いただいた株式会社おてつたびのCEO・永岡里菜さん。今回は、自治体との連携や今後の目標についてお聞きしました。
ー前回の記事はこちら
番外編 受け入れ先も利用者も拡大中!株式会社おてつたび 代表取締役CEO 永岡里菜さん(1/2)
ー過去の「交流」ご紹介記事はこちら
【「交流」no.117 P2〜5】
他事業者との連携が増加
前回お会いしてから現在までに、「おてつたび」にどのようなことがあったのか、永岡さんにお聞きしました。
「最も大きな変化は、自治体や企業との連携が増えたことです。地域の人手不足の解消や活性化は、ひとりや1社だけでできるほど簡単なものではないと感じていました。『おてつたび』の価値をしっかりと創出できたからこそ、そのような連携が実現できたと感じています」
地域は「関係人口」を重要視
千葉県、山梨県、奈良県、広島県、佐賀県、中部地域では岐阜県飛騨市など、全国の自治体と連携した取り組みを次々と打ち出している「おてつたび」。自治体との連携増加について、永岡さんは「関係人口」(※)という考え方に可能性を感じる自治体が増えているのではと語ります。
「人口減少が進んでおり、移住・定住施策の限界を迎えている中、『関係人口』は地域のキーになりえます。『おてつたび』は、創業当初より『誰かにとっての特別な地域を創る』を掲げてきましたが、改めてその重要性が高まっていると感じています。『おてつたび』をきっかけに地域のファンになり、その地を再訪したり地域のものを購入するなどの『関係人口』創出の実績に注目していただいたのだと思います」
※ 関係人口…移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉。地域づくりの担い手となることが期待されている。(引用元:総務省「関係人口ポータルサイト」)
浜松市にサテライトオフィスを開設!
「おてつたび」は、2021年にサテライトオフィスを静岡県浜松市に開設しました。地元でのスタートアップのサポートに力を入れる浜松市と、設立当初から地方にも拠点を置きたいと考えていた永岡さんの思いが一致し、オフィス開設に至ったそうです。
一次産業と観光業、さらにものづくりも盛んで、東京、名古屋へのアクセスも良い浜松市は、「おてつたび」とも相性が良いのかもしれません。
サテライトオフィスは、事業者への挨拶やサービス説明を行う拠点として活用しているそうです。
原点の地で「おてつたび」がスタート!
また、2022年1月から、永岡さんの故郷である三重県尾鷲市でも「おてつたび」がスタート。
「自分にとって尾鷲市は、原点であり特別な場所。でも、周囲からは『どこ、そこ?』とよく言われていました(苦笑)。『おてつたび』は、尾鷲市のように魅力が知られていない地域に人が訪れるような仕組みを作りたいという思いで立ち上げました。なので、同市でのスタートはとても嬉しいです」
「地域を支える未来のインフラ」を目指して
最後に、永岡さんに現時点での目標を伺いました。
「“どこに出かける? 旅行? それともおてつたび?”と、『おてつたび』が日常の選択肢のひとつになるくらい、知らない地域へ行くことが当たり前になった時、もっともっと面白いことが日本で起きるのではないかと思っています。まだ目指す世界は果てしなく遠いですが、地域の方々と協力しながら『地域を支える未来のインフラ』を創造していきたいと思います」
プロフィール
- 株式会社おてつたび 代表取締役CEO
- 永岡 里菜(ながおか りな)
- 三重県尾鷲市生まれ。高校卒業までを愛知県名古屋市で過ごす。千葉大学卒業後、イベント企画・制作会社での勤務や農林水産省と和食推進事業を立ち上げる仕事への参画を経て、2018年「おてつたび」を起業。
- 株式会社おてつたび
- 人手不足に悩む地域の事業者と旅を楽しみたい若者を結びつけるプラットフォームサービス。若者は労働力やスキルを提供し、地域の事業者は交通費に相当する報酬を支払うことでお互いに満足できるという仕組み。