知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします
スマホのカメラで素敵な写真が撮れる!~キホンとコツ編2~
(2時間目)
January 16. 2025(Thu.)
「スマ-トフォンのカメラを使ってはいるけれど、いまいちパッとしない」とお困りの方も多いのではないでしょうか。1時間目では、スマ-トフォン撮影の基本を学びました。2時間目は引き続き高島さんから、一歩踏み込んだスマホ撮影術について学びます。
ー1時間目の記事はこちら
スマホのカメラで素敵な写真が撮れる!~キホンとコツ編1~(1時間目)
- フリーカメラマン
- 高島裕介
- 1973年東京都出身。学生時代に写真に興味を持ち、写真専門学校に進学。卒業後スタジオ勤務を経て、27歳でフリーランスとなる。企業の広告やグルメ雑誌の撮影を中心に活躍。「交流Style」の撮影にも長年携わっている。
写真に奥行きを生み出すポートレートモード
撮影の際にぜひ使用したいのが「ポートレートモード」。背景をぼかすことで、被写体を際立たせることができます。そして、この「ポートレートモード」は人物以外の撮影でも大活躍してくれるので、ぜひさまざまな被写体に使ってみましょう。
きれいにぼかすコツは
・被写体となる人物やものになるべく近づくこと。
・ピントを合わせた主役の被写体と、ぼかしたい部分の距離を離すこと。
1枚目の写真では、タルトを主役として、グッと近づいて撮影しています。また、コーヒーカップを横に並べるのではなく、タルトの奥に配置することで、よりタルトが引き立つ形に。また、iPhoneなど機種によっては「F値(絞り)」を調整することができ、F値を小さくすればするほど、ぼけが大きくなります。
そして、ぼかすと効果的なのは背景だけではありません。「前ぼけ」と呼ばれる手法も積極的に使ってみましょう。主題となる人物の前に物や草木が映り込むことを避けがちですが、3枚目の写真のように前面をぼかすことで、奥行きを感じられる一枚に仕上がります。
順光と逆光を意識して撮影に臨もう
公園など外で人物や風景の撮影をする際は、1枚目の写真のように順光で撮影するのが基本。ただ、時間帯などによってはどうしても逆光になってしまうこともあるでしょう。
逆光は写真撮影においてデメリットが大きいと考えがちですが、背景と人物の間にコントラストが生まれるため2枚目の写真のように立体感を引き出す効果が出ることも。
逆光時にも被写体の顔を見せたいときは「露出(明るさ)」を上げて撮影しましょう。やわらかい日光のイメージを表現できることもあります。
あえて「露出(明るさ)」をアンダー(暗め)にして、人物の後ろ姿や横顔をシルエットのように見せるのも場合によっては効果的です。
プロも実践!すぐに使えるテクニック
ここではプロも実践するテクニックをご紹介します。
スマートフォンでは縦向きで撮影することが多いと思います。ところが、上の例のように縦向きと横向きでは大きく印象が異なり、それぞれが味わい深い写真です。縦横両方撮ることを日頃から心がけていると、思いがけず素敵な一枚が撮れることがありますよ。
最後に人物撮影で使える、ちょっとしたテクニックを伝授しましょう。それは「シャッターを押すのをやめたふりをして本当はやめない」ことです。
「撮るよ!」と予告してカメラを向けている間は、どうしても被写体の表情が固くなってしまうもの。カメラを意識しないときにこそ「その人らしさ」が表れるのです。ご家族や友人を撮影するとき、試してみてはいかがでしょうか。