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まずは知ろう
スパークリングワインの基本
爽やかな季節に楽しむ
スパークリングワイン
(1時間目)

May 10. 2023(Wed.)

春から夏にかけて、まぶしい日差しと爽やかな風を感じたら、飲みたくなるのがスパークリングワイン。スパークリングワインがおいしく感じる季節を迎え、フランス料理レストラン「ルマルタンペシュール」のオーナーソムリエ・那須亮さんに、「スパークリングワインってどんなワイン?」という素朴な疑問を投げかけてみた。

撮影協力/ルマルタンペシュール(愛知県名古屋市)
http://www.lemartin.jp

ルマルタンペシュール オーナーソムリエ
那須 亮
全国ソムリエ最高技術賞入賞など数々の受賞歴あり。フランス・シャンパーニュ騎士団よりオフィシエ・ド・シャンパーニュのほか、フランスチーズ鑑評騎士団、ボルドー騎士団などから叙任を受けている。グラスによる味わいの違い、注ぎ方による味わいの違いなど、コアなテーマでワインをサービスする姿から、一部の顧客からは「グラスの魔術師」なる呼び名が付けられているとかいないとか。
http://www.lemartin.jp

1時間目
そもそも
スパークリングワインとは!?

スパークリングワインと
シャンパンの違い

スパークリングワインとシャンパンは混同されがちですが、スパークリングワインは発泡ワインの総称で、シャンパンはスパークリングワインの一種。フランスのシャンパーニュ地方で作られた発泡ワインのことをシャンパンと呼びます。フランスは、ワインに関する法律を厳しく定めており、その条件を満たしたものだけが「シャンパン」という呼称を与えられるのです。この他の国のスパークリングワインとして有名なのは、スペインの「カヴァ」、イタリアの「スプマンテ」などが挙げられます。(写真上は、左から、スプマンテ、カヴァ、シャンパン)

スパークリングワインの
発泡が生まれる秘密

スパークリングワインの特徴である発泡。アルコール発酵で発生する二酸化炭素をワインに閉じ込めることで生まれます。この二酸化炭素を閉じ込める方法は主に3つあります。
フランス・シャンパーニュ地方で厳しく決められているのは、伝統的方式で「瓶内二次発酵」と呼ばれるもの。一般的な白ワインを作り、酵母とショ糖を加えて瓶詰めします。酵母は糖分を食べて分解する時に、炭酸ガスとアルコールを生成してスパークリングワインとなります。一度白ワインを作った後、瓶の中でもう一度発酵させるので、瓶内二次発酵といいます。また、イタリア・スプマンテのプロセッコでは、大きなタンクで大量のワインを短期間で仕上げる「密閉式タンク製法」、そしてその他、ワインに炭酸ガスを加える「ガス注入」があります。

肌寒さが残る春から、あたたかな日差しの初夏へと季節が移り変わると、わたしたちは自然に、飲んだり食べたりするものに“軽やかさ”を求めるようになるのではないでしょうか? 発泡の液体であるスパークリングワインは爽やかな清涼感があるため、汗ばむ季節にはスパークリングワインをおいしいと感じるのでしょう。また、同じぶどう品種を使ったスパークリングワインとワインを比較すると、発泡性のスパークリングワインの方が軽やかな味わいに感じるはずです。

スパークリングワインになる
ぶどうの品種

世界中で栽培されているぶどう品種のなかで、白ぶどうの「シャルドネ・リースリング・ソーヴィニヨンブラン」、黒ぶどうの「ピノノワール・ピノムニエ」などが有名です。
スペインのカヴァでは、「マカベオ・チャレッロ・パレリャーダ」、イタリアのスプマンテ・プロセッコでは「グレラ」が使われることが多いでしょう。日本のぶどう品種では、甲州やベーリーAなどがよく知られています。

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