知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします
選び方と料理との
あわせ方を学ぶ
爽やかな季節に楽しむ
スパークリングワイン
(2時間目)
May 17. 2023(Wed.)
春から夏にかけて、まぶしい日差しと爽やかな風を感じたら、飲みたくなるのがスパークリングワイン。スパークリングワインの基礎知識を指南してもらった前回に引き続き、今回もフランス料理レストラン「ルマルタンペシュール」のオーナーソムリエ・那須亮さんに、スパークリングワインをもっとおいしく飲むコツ、家庭料理に合わせる選び方などを教えていただいた。
撮影協力/ルマルタンペシュール(愛知県名古屋市)
http://www.lemartin.jp
ー1時間目の記事はこちら
まずは知ろう スパークリングワインの基本 爽やかな季節に楽しむスパークリングワイン(1時間目)
- ルマルタンペシュール オーナーソムリエ
- 那須 亮
- 全国ソムリエ最高技術賞入賞など数々の受賞歴あり。フランス・シャンパーニュ騎士団よりオフィシエ・ド・シャンパーニュのほか、フランスチーズ鑑評騎士団、ボルドー騎士団などから叙任を受けている。グラスによる味わいの違い、注ぎ方による味わいの違いなど、コアなテーマでワインをサービスする姿から、一部の顧客からは「グラスの魔術師」なる呼び名が付けられているとかいないとか。
- http://www.lemartin.jp
食前、食中、食後、
シーンに合わせた選び方
ご家庭では、次の3つのシチュエーションでスパークリングワインを飲む方が多いのではないでしょうか。
お食事の前の食前酒、お食事と一緒に飲む食中酒、あるいはお食事を終えてくつろぐ時間の食後酒。この3つのシーンに応じた選び方を紹介します。
まず、食前酒はすっきりと辛口のものを選ぶと良いです。スパークリングワインのほどよい酸味と発泡が食欲を刺激します。イタリアのプロセッコなどが良いでしょう。
食中酒には食事との相性を考えて旨味のあるタイプを。ロゼのスパークリングワインは和食から中華、洋食まで幅広く合います。
そして食事の後に飲むなら、デザート代わりにもなる少し甘めのスパークリングワインが良いでしょう。イタリアのアスティスプマンテなどがおすすめです。
お気に入りの
スパークリングワインに
出合うには
国・ぶどうの品種・製法・味わいなど、スパークリングワインを選ぶ時の条件は、数多くあります。よほど詳しく勉強している人でなければ、ワインボトルから細かな特性を読み取って選ぶのは難しそうです。そこで、「ワインショップに何を伝えて探してもらうといいか?」というポイントをまとめてみました。
1.辛口・甘口・旨味が強いタイプ、この中から自分の好みを伝える。
2.予算を伝える。
3.合わせる料理が決まっていれば伝える。(和食・洋食・中華というジャンルだけでもOK)
上記の3つの条件に合うものを探してもらいましょう。そして、気に入ったワインのぶどう品種を覚えていけば、少しずつ“自分が好きなタイプ”がプロファイリングされていくはずです。
また最近では、2枚目の写真にあるように、ボトルの下部に澱(おり)が溜まっているのが分かるナチュラルワインと呼ばれるものもショップで目にするようになりました。
飲んでみておいしいと思ったワインは、上記の3つの条件に加えて、国・製法などをチェックしていくといいでしょう。
夏の家庭料理との
マリアージュ
夏の食卓によく登場する家庭料理に、スパークリングワインを合わせてみましょう。
豚肉を使った麻婆ナスにはロゼのスパークリングを選びました。中華料理全般にロゼが合うということに加え、豚肉・オイスターソース・甜麺醤(テンメンジャン)など旨味の強い食材や調味料を使う料理には、同じく旨味の強いロゼがよく合います。
夏野菜の揚げ浸しには、すっきり辛口のプロセッコを。ミネラルをたっぷり含む夏野菜と合わせても苦味が出にくく、軽やかな夏らしい組み合わせとなります。
アジフライには、ハーブの風味を持つカヴァを合わせます。カヴァのぶどう品種の1つであるチャレッロにタイムやパクチーのようなグリーンノートがあるため、魚独特の匂いをマスキングするのです。カヴァは魚料理全般、特に青身魚との相性が良いワインです。