
知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします
小さなものから作品づくり
達成感を味わおう
(3時間目)
November 20. 2025(Thu.)
1・2時間目では、編み物の魅力と、編み物を始めるにあたっての基礎知識をお伝えしました。
3時間目は、初心者にも挑戦しやすいニットアイテムや、編み物を続ける上でのコツ、ハンドメイド作品の魅力などを時田さんに解説いただきました。
撮影協力/Re-TAiL(リテイル)
http://re-tail.jp/
ー1時間目の記事はこちら
心整う編み物を始めよう!(1時間目)
ー2時間目の記事はこちら
まず揃えたい編み物道具と糸選び(2時間目)


- RRR MATERIAL PROJECT(アール・マテリアル・プロジェクト)スタッフ
- 時田ミリさん
- 手芸好きの祖母、母の影響で子どもの頃から手芸に関心を持ち、高校・大学では服飾を専門に学ぶ。アパレルメーカーでパタンナーを経験した後、愛知県一宮市の株式会社リテイルに就職し、サンプル・デッドストック素材を販売する「RRR MATERIAL PROJECT」のスタッフに。オリジナルのニットアイテムを制作する編み物作家としても活動中で、編み物に挑戦するきっかけや、編み物を通じた交流を育むニットカフェを主宰する。
- http://rrr-material.jp/
- https://www.instagram.com/rrr_material/
初心者が挑戦しやすい
「コースター」と「シュシュ」


基本となる鎖編みとこま編みをマスターしたら、小物アイテムづくりに挑戦しましょう。コースターとシュシュは、基本の編み方を使って簡単につくれる初心者向けの小物アイテムです。
円形のコースター(写真右)は、ぐるぐるとらせん状に編み進めていき、ちょうどいいと思う大きさで糸を始末すれば完成。
シュシュは、難しそうに見えますが、基本的な編み方がマスターできていれば、ヘアゴムを土台に編んでいくだけで大丈夫。
どちらも、はじめは時間がかかるかもしれませんが、慣れてくれば、1〜2時間程度でつくれるようになります。初心者の方でも完成までたどり着きやすく、達成感が次の作品づくりの意欲を掻き立ててくれるはず。
写真のシュシュのようなフリルをつくりたい場合もこま編みの応用だったりするので、経験を重ねるごとにいろいろとアレンジするのも楽しいですよ。
何度だってやり直せるのも
編み物の良さ




うっかり編み目を飛ばしてしまった!そんなときは、間違えてしまった部分まで糸をほどき、再スタートすれば大丈夫。やり直しができるのも編み物の良さです。
中でもかぎ針編みは、針にかかっている編み目が1目なので、ほどいて再スタートするのも簡単なんです。また編み目を飛ばしたり、編み目が多少不揃いだったりしてもあまり目立たないので、パッと見ただけでは失敗とは気づかれにくいという特徴もあります。多少間違えても大丈夫、とおおらかな気持ちで編み進められるので、初心者の方も安心かと思います。
編み方をきちんと覚えたい、ひとりで編み物を続けられるか不安…という人は、ワークショップなどに参加してみてはいかがでしょうか。最近では経験を問わず、編み物に関心のある人が集まって、編み物をしながらおしゃべりやお茶を楽しむ「ニットカフェ」といった取り組みもあります。編み物仲間をつくりたい、どんなふうに編み物を楽しんでいるのか知りたい、気軽に編み物を教わりたいといった人は、ニットカフェに足を運んでみてください。
(時田さんらが主催するニットカフェの情報はこちらから)
https://www.instagram.com/knit_cafe_/
つくる、使う、贈る…
「編む」から広がる、暮らしの彩り


鎖編みとこま編みに加えて、長編みなどの応用の編み方も習得できれば、帽子やストール、バブーシュカ、ハンドバッグなど、つくることができるアイテムのバリエーションはグッと広がります。一見すると複雑で難しそうな透かし編みも、基本の編み方の組み合わせです。
例えば鎖編みとこま編みを交互に繰り返すと、ネット編みが完成!ネット編みのバッグやペットボトルホルダーもかわいいですよ。また、鎖編みと長編みでつくった小さなパーツを組み合わせることで、ブランケットなど大きなサイズのアイテムをつくる方法もあります。ぜひ、いろいろな編み方やつくり方に挑戦してください。
慣れてきた方向けの編み方として紹介したいのが、異なる種類の糸を2〜3本組み合わせ、1本の糸のように編む「引き揃え編み」。糸の組み合わせによってさまざまな仕上がりを楽しめます。
できあがった作品は世界にひとつだけのもの。インテリアやファッションに取り入れるだけでオリジナリティが演出でき、気持ちも上がります。また、つくりながらでき上がりのサイズ感を微調整できるのも、編み物だからできることです。以前、自分用と家族へのプレゼントにアームウォーマーをつくったときは、好みに応じて微調整しながら仕上げました。
使う人を思いながら編み進めると、自然と気持ちがこもります。ラッピングにもこだわって、温かな気持ちを届けてみましょう。





