おとなの相談室

知っているようで知らなかった悩みに、専門家がお答えします

災害時もおいしく!
簡単レシピをご紹介!
(3時間目)

September 30. 2025(Tue.)

1時間目では「防災」と向き合う上での心構えを、2時間目では「災害時に役立つ便利グッズ」などを教えていただきました。
3時間目は非常食の管理方法や災害時に役に立つ簡単レシピをご紹介します。

ー1時間目の記事はこちら
今日からできるわが家の防災(1時間目)
ー2時間目の記事はこちら
100円ショップで買える防災グッズ&自分なりの防災リュックを備えるコツ(2時間目)

防災ママかきつばた
原田友紀さん(左) 野中瞳さん(右)
2016年設立の「防災ママかきつばた」のメンバーとして、主に乳幼児や親子向けに防災啓発をおこなう。 原田さんは2児のママで、管理栄養士・上級幼児食アドバイザーとしての目線からも防災に関するアドバイスを送っている。野中さんは男の子4人のママで、能登半島地震の際にボランティアとして現地へ赴いた経験を持つ。それぞれの専門・得意分野を活かした防災講座・講演・イベント出展で活動中。
https://ameblo.jp/bosaimama/
https://www.instagram.com/bosai_k/

3時間目

自宅避難時に役立つ簡単調理法を実践!

賞味期限を「見える化」して
非常食ストックの無駄を減らす

他の地域で起こった災害のニュースなどをきっかけに非常食を購入したり、リュックに詰め込んでみたりしたものの長らく放置したままというご家庭も多いのではないでしょうか? 原田さんのお宅では、どのように非常食を管理しているか聞いてみました。

「私も非常食の賞味期限を見過ごしてしまうことが多々あります。ロングライフパンを子どものおやつにして、残り少なくなったら子どもたちに声をかけてもらうなど、日頃工夫できることはおこなうようにしています(「いのちを守るためのわが家の防災(1時間目)」参照)。
しかし大きな目安にしているのは、防災月間である9月と東日本大震災が起きた3月です。この時期には必ずストックをチェックしています。ルールの決め方で、随分変わりますよ」(原田さん)

非常食が入ったケースの上蓋には、それぞれの保存食の賞味期限が記されたシールが貼られています。このように「見える化」することによって、ストックの管理が劇的に楽になるそうです。

「また、水や非常食は、被災した際にいた場所から動けなくなることも考えて、玄関・寝室・リビングなど、置き場所を分散しておくことも重要です」(原田さん)

災害時に役立つ簡単レシピ①
「調味料のいらない親子丼」




災害時には電気やガス、水道などのライフラインを絶たれた状態で調理をおこなわなくてはならないことも想定されます。ここからは、管理栄養士でもある原田さんによる災害時に役立つレシピを紹介します。
いずれも、「耐熱ポリ袋」を使った簡単に調理できるものばかり。

「災害時は水がとても貴重になります。手が汚れにくいという点でも、耐熱ポリ袋はとても便利です。ぜひストックしておきましょう。また、電気が使えない状況下では、傷みやすい冷蔵庫内の乳製品や卵をいち早く消費したいところです。今回は自宅避難1日目を想定して、卵や乳製品を使えるレシピを紹介しますね」(原田さん)


「調味料のいらない親子丼」(材料2人分)
※耐熱ポリ袋2枚使用
・焼き鳥缶詰 1缶
・無洗米 1合
・水 200cc
・卵 1個

1.カセットコンロなどを使用して鍋に湯を沸かす。この時、鍋底に耐熱皿を敷く(耐熱ポリ袋が鍋底にくっつくのを防ぐため)。
2.耐熱ポリ袋に無洗米と水を入れ、空気を抜いて、できるだけ袋の口の近くで結んで閉じる。
3.もう1枚の耐熱ポリ袋に焼き鳥缶と卵を入れて軽く揉み込む。こちらも同様に空気を抜いて、袋の口の近くで結んで閉じる。
4.湧いた湯に、2.を入れ炊飯する(およそ20分)。時間差で3.を入れる(卵の固さの好みにより10~15分)

「味が付いた焼き鳥缶を使うので、調味料不要なのがポイントです。無洗米はすぐに炊いてもいいのですが、時間があればそのまま30分ほど浸水しておくと、よりおいしく炊けます」(原田さん)

災害時に役立つ簡単レシピ②
「ポリ袋でつくる蒸しパン」



「ポリ袋でつくる蒸しパン」(材料1個分)
※耐熱ポリ袋1枚使用
・ホットケーキミックス 100g
・卵 1個
・牛乳(または豆乳や水でもOK) 100ml
・油(サラダ油、米油など) 大さじ1


1. カセットコンロなどを使用して鍋に湯を沸かす。この時、鍋底に耐熱皿を敷く。(耐熱ポリ袋が鍋底にくっつくのを防ぐため)
2.耐熱ポリ袋に材料をすべて入れ、よく揉み込み、空気を抜いて、できるだけ袋の口の近くで結んで閉じる。
3.湧いた湯に2.を入れ20~25分ほど茹でる。

「牛乳や豆乳、水のほかに野菜ジュースを入れてもおいしく出来上がります。先に紹介した『調味料のいらない親子丼』と一緒の鍋で同時に調理すると時間的にも無駄がなく、おすすめです」(原田さん)

「簡単にできるので、普段からお子さんと一緒につくってみてはいかがでしょうか。『災害時にも平常時と同じ物を食べられる』というだけで、心が落ち着くものです」(野中さん)

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